GX志向型住宅を建てると得られる4つのメリットと新築する際の注意点

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GX志向型住宅を建てると得られる4つのメリットと新築する際の注意点GX志向型住宅を建てると得られる4つのメリットと新築する際の注意点

2024年11月22日の国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策の閣議決定で新たな住宅性能区分である「GX志向型住宅(脱炭素志向型住宅)」が新設されることになりました。

新たな住宅性能の区分が増えたことで、さらに難解になる新築住宅の住宅性能。これからマイホームの購入を考えている方にとって選択肢がさらに増えたわけです。

そこで今回は、GX志向型住宅がどのような住宅なのかを紹介します。

GX志向型住宅に適合するための基準や住まうことで得られるメリット、新築する際の注意点など詳しく解説します。

GX志向型住宅を建てようか悩まれている方に向けたアドバイスも最後に紹介しています。家づくりの検討を進めるうえで、本記事を参考にしてください。

この記事で学べるコト

  • GX志向型住宅に適合するための3つの基準がわかる
  • 他の省エネ住宅との違いがわかる
  • GX志向型住宅のメリットとデメリットがわかる

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1.GX志向型住宅ってなに?適合するための3つの基準

GX志向型住宅ってなに?適合するための3つの基準

GX志向型住宅は「ZEH水準を大きく上回る省エネ住宅」です。新しい住宅性能の区分のひとつとして新設されました。

次にあげる3つの基準に適合している住宅が「GX志向型住宅」です。

  • 断熱等性能等級6以上
  • 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から35%以上の一次エネルギー消費量削減(BEI 0.65以下)
  • 再生可能エネルギー等を含んだ、一次エネルギー消費量削減率(地域区分に応じた要件あり)

一次エネルギー消費量削減率(再エネ含む)は下表のとおり、地域区分に応じて要件化されています。

■地域区分別の一次エネルギー消費量削減率(再エネ含む)

一般地域 寒冷地等 都市部狭小地等
100% 75%以上

ZEH水準を大きく上回るという部分が「断熱等性能等級6以上」と「一次エネルギー消費量削減率35%以上(BEI 0.65以下)」です。

ZEH水準の住宅は「断熱等性能等級5」「一次エネルギー消費量等級6(BEI 0.8以下)」が基準となっているので、GX志向型住宅の方が、断熱性能と再生可能エネルギーを含まない一次エネルギー消費量の削減率に優れています。

さらに、再生可能エネルギー等を加えた一次エネルギー消費量の削減率が、地域区分に応じて定められています。

一般住宅であれば「ZEH」、寒冷地等であれば「Nearly ZEH」、都市部狭小地等であれば「ZEH Oriented」の基準で、断熱性能と一次エネルギー消費量削減率(再エネ含まない)がさらに向上した住宅です。

2.GX志向型住宅が新設された背景と狙い

住宅の省エネ性能の向上は、国をあげて取り組んでいる重要課題のひとつです。

2050年の目標である脱炭素社会の実現(カーボンニュートラル)に向けて、GX志向型住宅の導入を大きな足掛かりにしたい狙いがあります。

従来のZEH水準は、2030年に新築住宅の省エネ基準として引き上げが予定されています。つまり、ZEH水準の住宅が2030年以降に標準化=最低レベルになるのも要因のひとつとしてあげられます。

今回新設されたGX志向型住宅は、ZEH水準を大きく上回る省エネ性能を誇ります。新たな基準を設けることで、次世代の省エネレベルを確立したい狙いもあるでしょう。

「そこまでの住宅性能って必要ある?」と疑問に思うかもしれません。しかし、国として住宅の省エネ化に力を注いで、脱炭素社会の実現という目標達成にむけて突き進んでいる今、我々、消費者も住宅の省エネ化に目を向ける必要があるのが実情です。

3.「ZEH」「長期優良住宅」「低炭素住宅」との違い

「ZEH」「長期優良住宅」「低炭素住宅」との違い

新たな住宅性能の区分が追加されたことで、気になるのが「これまでの省エネ住宅と何が違うの?」ではないでしょうか。

そこで本章では、既存の省エネ住宅である「ZEH」「長期優良住宅」「低炭素住宅」との違いについて詳しく解説します。

3-1.ZEH

ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(NET Zero Energy House)」の略語で、太陽光発電システムなどの「創エネルギー」と、高効率な給湯設備などの「省エネルギー」、断熱効果の高い建材などを導入による「断熱性能」の相乗効果によって、住宅の一次エネルギー消費量をおおむねゼロにした住宅がZEHです。

一般的にZEHといえば上述したように、太陽光発電システムが搭載されていて「消費する一次エネルギー」よりも「創るエネルギー」の方が大きい住宅を指します。

ただしZEHといっても、再生可能エネルギーを含んだ一次エネルギー消費量の削減率によって、以下の表のとおり分類されています。

ZEH Nearly ZEH ZEH Oriented
一次エネルギー消費量の削減率(再エネ含む) 100% 75%以上~100%未満

一次エネルギー消費量の削減率(再エネ含む)によって、ZEHやNearly ZEHに分類されます。

都市部狭小地など、太陽光発電システムを導入しても効果を最大限に発揮できない場所に住宅を建築する場合、「断熱等性能等級5」と「一次エネルギー消費量等級6」に適合することでZEH Orientedに認定されます。

これらを総称して「ZEH水準の住宅」と表現されるケースが多々あります。ZEHとZEH水準の違いについて理解を深めておくのが大切です。

3-2.長期優良住宅

長期優良住宅とは、所管行政庁が認めた長持ちする住宅性能の高い建物です。

世代をわたって建てた家を繋いでいけるように、長期間生活していても住宅の構造や設備など問題なく使用できるように厳しい基準に適合した住宅です。

ZEHと同様に断熱性能と省エネ性能を基準に設けており「断熱等性能等級5」「一次エネルギー消費量等級6」に適合している必要があります。

全部で9つの基準をクリアしなければならず、ZEHよりも認定条件は厳しくなります。

  • 躯体の耐久性
  • 耐震性に優れている
  • メンテナンスを考えた設計
  • 省エネルギー
  • ライフスタイルにあわせたリフォームのしやすさ
    ※共同住宅や長屋などに適用
  • 将来を見越したバリアフリー対策
    ※共同住宅や長屋などに適用
  • 居住環境
  • 住居面積
  • 維持保全計画

長期優良住宅については「長期優良住宅ってどんな家?6つのメリット・4つのデメリットと良い建築会社の見つけ方」で詳しく解説しています。

3-3.低炭素住宅

低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出量を抑えるため、再生可能エネルギー・蓄電池などの設備と高い住宅性能が備わった環境に配慮したエコな住宅です。

所管行政庁が低炭素住宅に適合した住宅と認定しているので、付加価値のある住宅です。

低炭素住宅として認定を受けるには、次の3つすべてを満たさなくてはいけません。

①省エネ基準を超える省エネ性能を持つこと。かつ低炭素化に資する措置を講じていること
②都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針に照らし合わせて適切であること
③資金計画が適切なものであること

引用:国土交通省「エコまち法に基づく低炭素建築物の認定制度の概要

省エネ基準を超える省エネ性能というのが、ZEHや長期優良住宅と同様に「断熱等性能等級5」「一次エネルギー消費量等級6」に適合した住宅にプラスして「低炭素住宅化に資する措置を講じている」かが認定基準となっています。

さらに再生可能エネルギー等を含む、一次エネルギー消費量の削減率が50%以上と条件に盛り込まれています。

表にまとめると、GX志向型住宅と他の省エネ住宅の違いは以下のとおりです。

GX志向型住宅 ZEH 長期優良住宅 低炭素住宅
断熱等性能等級 等級6以上 等級5
一次エネルギー消費量削減率
※再生可能エネルギー等を除く
35%以上 20%以上
(一次エネルギー消費量等級6)
一次エネルギー消費量削減率
※再生可能エネルギー等を含む
一般地域:100%以上
寒冷地等:75%以上
都市部狭小地等:-
ZEH:100%以上
Nearly ZEH:75%以上
ZEH Oriented:-
50%以上
再生可能エネルギーの設備を導入 一般地域:必須
寒冷地等:必須
都市部狭小地等:不要
ZEH:必須
Nearly ZEH:必須
ZEH Oriented:不要
必須
その他の評価基準 躯体の耐久性
耐震性に優れている
メンテナンスを考えた設計
居住環境
住居面積
維持保全計画
低炭素化に資する措置(以下のいずれか)

  • 節水対策
  • ヒートアイランド対策
  • エネルギーマネージメント
  • 躯体の低炭素化
  • V2H充放電設備の導入

4.GX志向型住宅を新築することで得られる4つのメリット

GX志向型住宅を新築することで得られる4つのメリット

GX志向型住宅を新築することで次の4つのメリットを享受できます。

  • 160万円+αの補助金が交付される
  • 月々の光熱費を抑制できる
  • ヒートショックの発生リスクを軽減できる
  • 災害時に活躍する

それぞれのメリットについて解説します。

4-1.160万円+αの補助金が交付される

GX志向型住宅は、2024年11月に国土交通省より発表のあった「子育てグリーン住宅支援事業」の対象住宅です。

GX志向型住宅を新築する際に本制度の条件を満たすことで、1戸あたり160万円の補助金が交付されます。

さらに、DR(ディマンド・リスポンス)に対応した家庭用の蓄電池を設置する場合、経済産業省による「DRに対応したリソース導入拡大支援事業」を活用することで、設置や工事などの蓄電池を導入するのにかかる費用のうち、最大1/3まで補助してもらえます。

DRに対応したリソース導入拡大支援事業は、子育てグリーン住宅支援事業と併用可能なので160万円+αの補助が受けられます。

子育てグリーン住宅支援事業は諸条件があります。詳しくは「子育てグリーン住宅支援事業が創設!住宅取得がおトクになる補助制度を徹底解説」で解説していますので、補助金を活用したい方は、ぜひご覧ください。

4-2.月々の光熱費を抑制できる

住宅設備の省エネ性能が高いため、月々の支払いにかかる光熱費を抑制することが可能です。

高い断熱性能を有した住宅は、外気の影響を受けにくいため、室温を一定に保ちやすいです。冷暖房設備が高効率で稼働するため、利用頻度を減らすことにつながるので、月々の光熱費の負担を抑えられます。

余剰分の電力は売電することで経済的にも豊かにしてくれます。

4-3.ヒートショックの発生リスクを軽減できる

断熱性能の高いGX志向型住宅は健康面にも配慮されています。とくに、ヒートショックの発生リスクの軽減に期待できます。

ヒートショックとは、室内の寒暖差による血圧の上下で心臓や血管に疾患が起こることです。

たとえば、暖房の効いた暖かなリビングから、気温の低い洗面室・浴室などの寒い場所に移動することで、血管が収縮し血圧が上昇して湯船につかって血圧が低下します。この急激な寒暖差によって引き起こされるのが原因です。

GX志向型住宅であれば、室内の気温差が生じづらく1年中安定した快適な室温で生活ができるため、ヒートショックの防止につながります。

4-4.災害時に活躍する

いつ何時に起こるかわからないのが災害。災害時にも活躍するのがGX志向型住宅です。

太陽光発電システムにより自家発電が可能で、蓄電池を備え付けた住宅であれば発電した電気を蓄えておくこともできます。

災害による停電で電気を利用できなくなると、最新の災害情報を収集や食事をとるのも困難になります。自家発電が可能なGX志向型住宅であれば、テレビ・ラジオからの情報収集やスマートフォンの充電、調理家電の利用が可能です。

防災を意識した家づくりに関心の高い方は、災害に強い家づくりがおすすめです。

5.メリットばかりではない!GX志向型住宅を建てる2つの注意点

メリットばかりではない!GX志向型住宅を建てる2つの注意点

前述で紹介した良いことばかりではありません。気を付けておきたい2つの注意点があります。

主な注意点は次の2つです。

  • 建築主のコスト負担が大きくなる
  • GX志向型住宅に対応できる建築会社が限られる

5-1.建築主のコスト負担が大きくなる

1.GX志向型住宅ってなに?適合するための3つの基準」で紹介したとおり、GX志向型住宅は「断熱性能」と「一次エネルギー消費量の削減率」の基準をクリアしなくてはいけません。

断熱性能を高めるため、建材のグレードアップや再生可能エネルギーを含まない一次エネルギー消費量の削減率35%以上(BEI 0.65以下)の基準を満たすための高効率な給湯設備など、高性能な住宅設備の導入が必要不可欠です。

さらに、一般地域や寒冷地等のエリアでGX志向型住宅を建てる場合、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー設備も導入しなければいけません。

導入にかかる設備投資が増えることで、必然的にトータルの建築コストも増加します。そのため、建築主はコスト負担が大きくなるので注意が必要です。

5-2.GX志向型住宅に対応できる建築会社が限られる

ZEH水準を大きく上回る高い省エネ性能がゆえに弊害もあります。それは、GX志向型住宅を建築できるハウスメーカーや工務店が限られてしまうことです。

GX志向型住宅はすべてのハウスメーカーや工務店で建築できるわけではありません。建築会社によって施工技術に差があるため、対応できる会社は限定されてしまうからです。

「GX志向型住宅を新築したい!」と計画して気になるハウスメーカーや工務店に相談しても、話を聞くとその会社では建てられないケースがあります。

建築できる会社が限られてしまうと理解したうえで、事前に検討しているハウスメーカー・工務店のホームページを事前に確認しておきましょう。

見るべきポイントとしては、住宅性能のページや施工実績です。「断熱等性能等級6以上で施工できるか」「ZEHの施工実績があるか」などを調べることで、断熱性能や太陽光発電システムを導入できるのかを確認できます。

確実な方法として、GX志向型住宅に対応できるかを問い合わせフォームから質問してみるのもおすすめです。

6.GX志向型住宅を建てるか悩まれている方へアドバイス

GX志向型住宅を建てるか悩まれている方へアドバイス

最後に「結局、GX志向型住宅を建てた方がいいの?」と悩まれている方に、2つのアドバイスを紹介します。

6-1.初期投資のコストと理想の暮らしとのバランスをとる

GX志向型住宅は設備投資にお金がかかるので、建築にかかる総コストが増加します。そのため、初期投資にかかるコストと叶えたい理想の暮らしで得られる価値とのバランスがとれているかが大切です。

住まいに求める住宅性能は家族ごとに考え方が異なります。要はかける費用に対して価値の割合が上回るかが判断基準になります。

高性能で省エネのGX志向型住宅は、「4-2.月々の光熱費を抑制できる」で解説しましたが、毎月の支出を抑えられるといったメリットあります。

イニシャルコストとランニングコストのコストパフォーマンスと、建築にかかる費用に見合う暮らしが実現できるかを比較するようにしましょう。

6-2.ハウスメーカーや工務店選びは慎重に行う

GX志向型住宅を建築できるハウスメーカーや工務店選びを慎重に行うのが大切です。

前述でも紹介しましたが、建築会社によって施工技術の差があります。また、住宅の仕様も異なるため、建築費用も異なります。

同じGX志向型住宅でも、建築する会社によってコストパフォーマンスに大きな差が生まれてしまうので、複数社に見積もりをお願いして比較検討するのが重要です。

GX志向型住宅に対応できる建築会社をいくつかピックアップして、気になるハウスメーカー・工務店を選定しましょう。

建築会社の選び方については、「保存版】建築会社を選ぶ5つのポイント|ハウスメーカーを探し始める前の準備と具体的な探し方」で見るべきポイントなどを詳しく解説しています。

ぜひ、本記事とあわせて参考にしてください。

まとめ

GX志向型住宅(脱炭素志向型住宅)はZEH水準の住宅よりも、高い断熱性能と省エネ性能を有した「ZEH水準を大きく上回る省エネ住宅」です。

子育てグリーン住宅支援事業の制度を活用することで、1戸あたり160万円の補助が受けられます。

断熱性能と省エネ性能に優れているため「月々の光熱費を減らす」「ヒートショックの発生リスク軽減」「災害に強い」といったメリットがある一方、「建築コストの負担増加」「建築会社が限られてしまう」といったデメリットもあるので注意が必要です。

イニシャルコストとランニングコストのバランスを鑑みて、理想の暮らしを実現するために建築価格よりもGX志向型住宅で得られる価値が上回っていれば、導入を検討してみるのが良いでしょう。

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