「注文住宅は決めることが多くて大変そう…」「建売だとちょっと物足りない…」そんな方におすすめしたいのが規格住宅です。
昨今の住宅にかかる建築コストは上昇トレンドにあるため、住宅の購入条件で価格を重視している方にも、コストパフォーマンスに優れた規格住宅はおすすめです。
そこで今回は、規格住宅の概要から注文住宅・建売住宅との違い、ハウスメーカーを選ぶポイントについて解説します。
主要なハウスメーカーが販売している規格住宅の特徴についても紹介していますので、規格住宅でマイホームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事で学べるコト
- 規格住宅の概要がわかる
- 注文住宅や建売住宅との違いがわかる
- 規格住宅のハウスメーカーを選ぶポイントがわかる
1.規格住宅とは?コストパフォーマンスに優れた住宅
規格住宅は、ハウスメーカーや工務店が強みを活かして設計したプランを規格化することによって、一定の品質と安価な建築コストで提供している住宅です。
売主であるハウスメーカーが、選択できる住宅設備を絞り込み、プランや工程を標準化しているため、品質の高い住宅をコストを抑えて提供できます。
購入者のニーズを捉えたプランを規格住宅のコンセプトに落とし込んでいるので、買主にとって理想を実現しやすいコストパフォーマンスに優れた住宅です。
2.注文住宅や建売住宅との5つの違い
新築のマイホーム購入で「規格住宅」を検討しているなら「注文住宅」や「建売住宅」も候補のひとつでしょう。
そこで本章では、規格住宅が注文住宅・建売住宅と比較して異なる5つのポイントを紹介します。
- 自分好みの間取りを選択できる
- 設備や建材・建具を選べる
- 建築コストは安価
- 土地の形状による制約がある
- 入居までのスケジュールがたてやすい
それぞれ5つのポイントについて詳しくみていきましょう。
2-1.自分好みの間取りを選択できる
規格住宅は、ハウスメーカーや工務店が提供する規格の範囲で間取りをプラン化しており、複数の選択肢のなかから好きなものを組み合わせて建築するプランを決めていきます。そのため、規格から逸脱した間取りで建築することができません。注文住宅と比べれば、間取りの自由度は低いです。
しかし、家族のライフスタイルに応じて自分が主動してプランを決めることができます。建売住宅よりも自分の意向を取り入れた間取りを実現できる家づくりです。
規格住宅 | 規格の範囲内で決める |
---|---|
注文住宅 | 自分の希望を反映した間取りを実現できる |
建売住宅 | 売主がプランニングした間取りになる |
2-2.設備や建材・建具を選択できる
設備や建材・建具などはハウスメーカーが商品を指定しています。購入者は売主が用意した選択肢の範囲内で設備や建材など、室内のデザイン・快適性・利便性にかかわる部分を決めなくてはいけません。
売主がどの程度の選択肢を用意しているかによって、選べる設備の範囲は異なります。豊富なプランを用意している企業もあれば、選択肢の少ない企業もいるので注意が必要です。
規格住宅 | ハウスメーカーや工務店が指定する範囲のなかから決める |
---|---|
注文住宅 | ハウスメーカーの取引状況にもよるが、希望の設備・仕様や建材など、自分好みなデザインを反映できる |
建売住宅 | 基本的には新築されている物件のなかから選択。壁紙など一部変更できる場合もある |
2-3.建築コストは安価
規格住宅は、規格化による大量生産が可能なため、資材コストや開発コストを抑えることが可能です。さらに、打ち合わせ回数を減らし、工程をスムーズに進められるように仕組化されているので、工賃・人件費を抑えられるのが特徴です。そのため、私たち買主の建築コストに還元され、一定の品質は維持しつつ安価に住宅を供給しています。
また、規格住宅は資金計画がたてやすいです。規格化されているため、プランによって建築にかかる費用が明確になっています。大がかりなオプションを追加しない限りは、当初の計画から大崩れすることはないでしょう。
規格住宅 | 規格内容やプランによるが注文住宅よりもコストを抑えやすい |
---|---|
注文住宅 | 住宅性能・プラン、設備や建材のグレードなどにより建築コストはピンキリ |
建売住宅 | 売主のプランによるが、もっとも建築コストを抑えやすい |
2-4.土地の形状による制約がある
土地の形状によって、規格住宅を建築できない場合があるので注意が必要です。規格住宅のプランがはまる土地である必要があり規格から外れるような土地には建築できない場合があります。
たとえば、間口の狭い旗竿地やいびつな形をしている変形地・高低差のある土地などは、対応してもらえない可能性が高いです。所有している土地で規格住宅の新築を検討している方は、事前に規格住宅のメーカーに対応可能か事前に確認しておきましょう。
規格住宅 | 土地の形状によっては建築できない場合がある |
---|---|
注文住宅 | ハウスメーカー・工務店の構造や工法にもよるが柔軟な対応が可能 |
建売住宅 | 建物とセットで決める必要がある |
2-5.入居までのスケジュールがたてやすい
すでに完成している建売住宅を購入するのが、入居までのスケジュールをたてやすいですが、規格住宅も比較的スケジュールを調整しやすい部類に入ります。
前述でも紹介しましたが、規格住宅は打ち合わせ回数が少なく工程も仕組化されているので、注文住宅と比較して工期が短くなります。
契約してから着工・引き渡しまでスムーズに事が運ぶので、入居希望日から逆算した計画がたてやすいでしょう。
規格住宅 | 注文住宅よりも工期が短く、スムーズに入居まで進む |
---|---|
注文住宅 | 決めることが多く打ち合わせ回数の増加や追加工事による工期延長の可能性がある |
建売住宅 | 完成済みの建売であれば入居日を調整しやすい |
3.規格住宅のハウスメーカーを選ぶ3つのポイント
次に気になるのが、どのような規格住宅を選べば良いかです。セミオーダー型で家づくりができる規格住宅ですが、選ぶ基準をもっておくのは大切です。
規格住宅を販売しているハウスメーカーを選定するうえで、おさえておきたいポイントは以下の3つです。
- 家づくりの希望条件と規格住宅のコンセプトがマッチしている
- 複数のハウスメーカーの規格住宅を比較する
- 無理のない返済計画がたてられる
それぞれのポイントを詳しく解説します。
3-1.家づくりの希望条件と規格住宅のコンセプトがマッチしている
各ハウスメーカーはさまざまなコンセプトの規格住宅を企画・販売しています。販売されている規格住宅のなかから、ご自身の求める家づくりの希望条件とコンセプトがマッチしている規格住宅を探すのが大切です。
ただし、理想を追求しすぎてしまい家づくりの要望が増えすぎるのは本末転倒です。しっかりと優先順位をつけた希望条件の整理をおこないマッチする規格住宅を探すようにしてください。
ご自身・ご家族の希望と実現性のバランスをみて最重要なポイントを整理するように心がけましょう。
「【チェックリストあり】注文住宅は何からはじめる?最初に取り組むべき希望条件を整理する方法」で家づくりにおいて大切な条件整理の方法をまとめています。本記事とあわせて参考にしてください。
3-2.複数のハウスメーカーの規格住宅を比較する
各ハウスメーカーが、どのようなコンセプトの規格住宅を販売しているのかを比較することが大切です。比較しなければ検討している規格住宅の良し悪しを判断できないからです。
規格住宅を比較するときは、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
- ライフスタイルにあわせた間取りや設備を選択できるか?
- 住宅性能は希望の基準を満たしているか?
- 標準仕様とオプション仕様は明確になっているか?
- 検討している土地の形状で建築できるか?
- 予算内で規格住宅を建築できるか?
- 引き渡し後のアフターサポートは充実しているか?
上記のさまざまな視点から比較して、ご家族の希望を実現できる規格住宅なのかを判断するようにしてください。
3-3.無理のない返済計画がたてられる
前述の複数社を比較するポイントのなかで「予算内で建築できるか?」と紹介しましたが、家づくりでは住宅を建築するための費用を捻出するだけでなく、ランニングコストをふまえて無理のない返済計画をたてるのが大切です。
そこで重要になるのが資金計画です。正しい資金計画をすることで、住宅購入後も家計に負担の少ない範囲で月々の返済できる可能性が高まります。
いざ、住宅購入となると家を建てるための費用に目がいくので視野が狭くなりがちです。そのため、ゆっくり時間をかけて資金計画をたてるようにしましょう。
「注文住宅の予算を決める3つの方法|予算オーバーしない4つの対処法を伝授」で資金計画をたてる方法についてまとめています。こちらの記事を参考にしながら、トータルコストのバランスが適正か判断するようにしてください。
第三者からアドバイスをもらうのも良いでしょう。ファイナンシャルプランナーに相談するのもひとつの手です。
4.主要なハウスメーカーが提供する規格住宅の特徴5選
規格住宅を建てられるハウスメーカーは数多く存在します。そこで、本記事では主要なハウスメーカーが提供している規格住宅のなかから5つ紹介します。
ハウスメーカーごとに規格住宅の特徴を解説していますので、比較する際の参考にしてください。
4-1.一条工務店|HUGme(ハグミー)
商品名 | HUGme(ハグミー) |
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商品ページURL | https://www.ichijo.co.jp/lineup/hugme/ |
HUGme(ハグミー)は、一条工務店の設立45周年を記念して2023年1月より販売が開始された規格住宅です。比較的、低価格帯の商品ではありますが、標準仕様が充実しているのでコストパフォーマンスに優れています。
標準仕様は使い勝手の良いシステムキッチン・大容量収納のウォークインクローゼットなどの設備を採用しています。住宅性能も「耐震等級3」「ZEH基準の気密性・断熱性」が標準仕様で安心した家づくりが可能です。
さらに、オプションも充実しており「太陽光発電システム+蓄電池」「加湿機能付きの全館空調」「全館床暖房」など、暮らしを豊かにする設備も追加できます。
設備・性能・外観を買い物カートに入れる感覚で自分好みにカスタマイズしながら家づくりができる魅力的な規格住宅です。
4-2.スウェーデンハウス|Hemma Bäst(ヘンマ ベスト)
商品名 | Hemma Bäst(ヘンマ ベスト) |
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商品ページURL | https://www.swedenhouse.co.jp/hemmabast/ |
「旅もいいけれど、やっぱり我が家がいちばん!」をコンセプトにスウェーデンハウスが2017年9月より販売を開始した規格住宅です。
Hemma Bäst(ヘンマ ベスト)は好みの家の形(外観デザイン)や間取りプラン、カラースタイルから選んでつくるセレクト型の注文住宅。スウェーデンハウスが得意とする木材の温かみのある北欧風デザインが特徴です。
リモートワークスペースを全プランに採用・人気の高いアイランドキッチンを一部のプランに採用など、顧客ニーズに応える設備を拡充していることが、長年、購入者から支持されて高い顧客満足度につながっています。
4-3.住友林業|Forest Selection BF(フォレストセレクション BF)
商品名 | Forest Selection BF(フォレストセレクション BF) |
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商品ページURL | https://sfc.jp/ie/lineup/fs/bf/ |
Forest Selection BF(フォレストセレクション BF)は、住友林業が2017年11月より販売を開始した規格住宅。同社の強みであるビッグフレーム(BF)構法とライフスタイルの変化に応じて可変性に優れたSI間仕切壁が特徴です。
注文住宅のノウハウを活かした約1,500もの設計パターンのなかから、平屋・2階建てのプランを選択できます。人気のある家事動線・収納計画など工夫された間取りが豊富で暮らしやすさに焦点をあてた家づくりが可能です。
4-4.積水ハウス|SEKISUI HOUSE noie(積水ハウスノイエ)
商品名 | SEKISUI HOUSE noie(積水ハウスノイエ) |
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商品ページURL | https://www.noie.sekisuihouse.co.jp/ |
積水ハウスのセカンドブランドとして、2020年2月に営業を開始した「SEKISUI HOUSE noie」
20代~30代の子育てや仕事で忙しい毎日を過ごす世代に「心地よく、ちょうどいい」をコンセプトに暮らしを提案しています。
積水ハウスグループのネットワークを活かした資材調達で高い品質の住まいをちょうどいい価格で提供しているため、合理的に住宅購入を検討している方におすすめです。
SEKISUI HOUSE noieはアフターサポートも充実しています。積水ハウスのカスタマーセンターが定期点検や補修・メンテナンスなどのアフターサービスを担当しているため、入居後も安心のサポートがうけられます。
4-5.パナソニックホームズ|FORTINA select PREMIUM(フォルティナ セレクトプレミアム)
商品名 | FORTINA select PREMIUM(フォルティナ セレクトプレミアム) |
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商品ページURL | https://homes.panasonic.com/sumai/lineup/fortinasp/ |
FORTINA select PREMIUM(フォルティナ セレクトプレミアム)は、パナソニックホームズが2024年4月に発売を開始した新商品です。
パナソニックホームズのベストセラー構造である「大型パネル構造」を躯体に、厳選した人気の建物シルエットからプランを選択する規格住宅です。制限はありますが、間取りの設計変更も可能でライフスタイルにあった家づくりができます。
フォルティナ セレクトプレミアムのプランでは「収納」「家事」「間取りの可変性」の暮らしやすさを左右する3つの要素にこだわったプランが多数用意されています。住み心地や家事ラクを重視している方にはおすすめです。
パナソニックホームズの強みである地震や台風などの災害に強い構造躯体の住まいは、家族と長期にわたって安心して暮らせる住まいを実現できるでしょう。
5.規格住宅はこんな人におすすめ
最後にこれまで紹介した注文住宅や建売住宅との違いやハウスメーカーを選ぶポイントなどをふまえて、どのような方に規格住宅が適しているのか紹介します。
「規格住宅」「注文住宅」「建売住宅」のどれにすれば良いか迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
5-1.時間のない共働き世帯
注文住宅のように打ち合わせ時間を確保するのが難しい。それでも、自分たちの理想が詰まった戸建てを持ちたいという共働き世帯には規格住宅をおすすめします。
前述でも紹介したとおり、規格住宅はハウスメーカーが用意するプランから選びながらつくるセミオーダー型の家づくりです。夫婦2人の時間を調整して打ち合わせをするのが難しい共働きの世帯には、打ち合わせ回数を減らして理想の住まいがつくれる規格住宅がおすすめです。
5-2.建売住宅では物足りない方
建売住宅では実現できない自分らしいこだわりを取り入れたいという方にも規格住宅はぴったりです。
建売住宅の場合、売主が販売している建売から自分の希望に近い物件を探さなくてはいけません。すでに建築済みであれば、設備や仕様なども決まってしまっているので「建物に自分たちが合わせにいく」ほかありません。
その点、規格住宅であれば、ハウスメーカーが規格化しているもののなかから選択して家づくりができるので「建物を自分たちに合わせる」ことが可能です。
自分のこだわりを叶える家づくりとして「規格住宅」を検討してみるのも良いでしょう。
まとめ
プランが規格化されている規格住宅は、一定の品質と安価な建築コストで提供される住宅で、コストパフォーマンスの高さが魅力です。しかし、注文住宅のような自由度の高い設計が難しいといった側面もあります。
規格住宅を選ぶ際には「注文住宅」や「建売住宅」との違いを理解したうえで、ご家族のライフスタイルや無理のない返済計画がたてられるプランをにしなければいけません。そのためには、各社を比較して予算と企業の信頼性を確認することが重要です。
本記事が、あなたの規格住宅選びの一助になれば幸いです。
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