家を買おうと決意して住宅購入の頭金を貯蓄している方も多いでしょう。頭金を用意することで「住宅ローンの返済比率を下げる」「低金利で借り入れできる」など、毎月の返済負担を軽減できる特徴があります。
そこで今回は、いくらの頭金を用意するかの目安からフルローンの注意点、頭金を試算するときのポイントについて解説します。
購入前にお金を使いすぎて新生活で苦労しないためにも、今回紹介するポイントを理解していくら頭金を用意するべきか試算してみましょう。
この記事で学べるコト
- 頭金の目安
- フルローンで家を買うときの注意点
- 頭金を試算するためのポイント
目次
1.家を買うなら頭金はいくら用意する?データでみる頭金の目安
「家を買うときの頭金をいくら用意すれば良いか?」これから住宅購入の資金計画をたてるときに、多くの方が頭を悩ませているでしょう。
いくらの頭金を用意するかは、毎月の支出や貯蓄額は家庭ごと違うので一概に正解があるとはいえません。そこで参考になるのは、実際の購入時に支払った頭金の平均額です。
住宅金融支援機構が2021年8月3日に公開した2020年度の「フラット35利用者調査」によると、物件種別ごとの購入金額の平均と頭金の平均、頭金の割合は全国平均で次のとおりです。
物件種別 | 平均購入金額(総額) | 平均の頭金 | 頭金の割合 |
---|---|---|---|
注文住宅 (土地取得は含まない) |
3,533万円 | 617万円 | 17.5% |
注文住宅 (土地取得も含む) |
4,397万円 | 440万円 | 10.0% |
建売住宅 | 3,495万円 | 247万円 | 7.1% |
中古戸建 | 2,480万円 | 198万円 | 8.0% |
新築マンション | 4,545万円 | 758万円 | 16.7% |
中古マンション | 2,971万円 | 343万円 | 11.5% |
参考:住宅金融支援機構「2020年度 フラット35利用者調査」
※平均購入金額・頭金の端数は切り捨て
このように物件種別によって頭金の費用や割合に違いはあるものの、購入金額の10%~20%程度が目安です。
つまり、4,000万円の購入金額であれば、400万~800万の頭金を準備した方が良いでしょう。
ただし、上記に記載している頭金は平均値です。平均値は高い金額に引っ張られる性質があります。たとえば、頭金を3組中1組フルローン。1組が200万円と残りが1,000万円を準備したとすると平均は400万円になります。
そのため、平均の頭金については目安として捉えておくと良いでしょう。
2.フルローンで家を購入しようと考えている場合の注意点4つ
頭金を準備せずに、家を買う資金をすべて住宅ローンでまかなう「フルローン」という購入方法もあります。貯金を減らすことなく家を買うため、購入後も現金を手元に残しておくことが可能です。しかし、フルローンで家を購入すると次の4点に注意しなくてはいけません。
- 借入金利が高いので毎月の返済額が増える
- 返済する利息負担が増える
- そもそも住宅ローンの審査が通らない場合がある
- フルローンでも手付金や諸費用で現金は必要
それでは、この4つの注意点について詳しく見ていきましょう。
2-1.借入金利が高いので毎月の返済額が増える
フルローンで家を買うと、住宅ローンの借入金利が高くなります。2021年10月時点のフラット35における借入金利水準を見てみると、融資率別の金利範囲は次のとおりです。
融資率 | 金利の範囲 | 最も多い金利 |
---|---|---|
9割超 | 1.56%~2.43%(年) | 1.56%(年) |
9割以下 | 1.30%~2.17%(年) | 1.30%(年) |
出典:住宅金融支援機構「金利情報」
このように、融資率が高いと年利で0.26%高くなります。たかが0.26%と思われるかもしれませんが、住宅価格は高額なため、この0.26%でも大きな金額です。
たとえば、例えば4,000万の家を買うと想定して、フルローンと頭金を準備して借入額を減らした場合、毎月の返済額は次の表のようになります。金利はもっとも多い金利をベースに試算しています。
項目 | フルローン | 頭金を20%用意した場合 |
---|---|---|
借入額 | 4,000万円 | 3,200万円 |
頭金 | 0円 | 800万円 |
金利 | 1.56% | 1.30% |
毎月の返済額 | 約12.4万円 | 約9.5万 |
このように、フルローンで家を購入すると頭金を用意した場合と比べ、毎月の支出が3万円ほど増えます。フルローンで購入を検討する場合には、毎月の返済額が増えるので注意しましょう。
2-2.総支払額が増える
フルローンで借り入れると総支払額が増えます。頭金を準備すれば借入額を減らせるので利息の負担を軽減できますが、フルローンでは利息負担を軽減できません。
前述で紹介した4,000万の家を買うと想定したときの総支払額をシミュレーションした表をご覧ください。35年の借り入れで想定しています。
項目 | フルローン | 頭金を20%用意した場合 |
---|---|---|
借入額 | 4,000万円 | 3,200万円 |
頭金 | 0円 | 800万円 |
金利 | 1.56% | 1.30% |
総支払額 | 5,194万円 | 4,785万円 内訳:3,985万(返済額)+800万(頭金) |
フルローンで4,000万円を借り入れると、最終的な返済額は5,194万円です。つまり、1,194万円という大きな金額を35年間のうちに利息として支払います。
一方、頭金を購入金額の20%用意した場合、総支払額は頭金に支払った金額を含めて4,785万円です。トータルで400万円ほど支払う金額が少なくなります。
2-3.そもそも住宅ローンの審査が通らない場合がある
頭金を用意しないと金融機関からの住宅ローンの審査に通らない場合があります。金融機関も慈善事業ではないため、貸したお金が返ってこないと困ります。そこで、住宅ローンを借りる前には必ず行うのが審査です。
住宅ローンの審査は、借入希望者の年収や職業、勤続年数、健康状態、返済能力などの審査項目をみて最終的な借入可能額が決定します。この項目のうち、頭金を用意できれば借入可能額が減るので返済比率も下がります。そのため、無理なく毎月の返済ができると判断され審査が通りやすくなるといわれています。
一方、頭金が用意できないと返済能力があると判断できないため、審査が通らない可能性があるのです。
2-4.フルローンでも手付金や諸費用で現金は必要
不動産を購入するときには建物の購入費用以外にも、手付金や契約締結に必要な印紙代、登記費用や引っ越し費用など、諸費用と呼ばれるお金が必要です。このような諸費用は、現金による一括で支払うのが一般的です。フルローンでも現金で支払う場面があるため、まったく手元資金がない状態では住宅購入ができません。
諸費用は住宅購入費用のうち5%~10%ほど占めています。つまり、4,000万の家を買うとしたら200万~400万ぐらいは、現金として用意するのが無難です。
ただし、最近では「諸費用ローン」と呼ばれる住宅取得の諸費用をサポートする商品もでています。借り入れの上限はあるものの利用条件をクリアすれば借り入れでまかなえるようになりました。返済シミュレーションでトータルの返済額と比較して、負担にならないと判断できれば諸費用ローンを活用するのもひとつの手です。
3.資金計画で頭金を試算するときのポイント2つ
家を買おうと前向きに検討すると、まずは資金計画をたてなければいけません。資金計画をたてなければ総予算が把握できないため、いくらの家が買えるのかわからないからです。
総予算とは住宅ローンと頭金の合計です。つまり頭金をいくら準備できるか計算しないと総予算が算出できません。
そこで次からは頭金を試算する上で大切な2つのポイントを紹介します。
3-1.生活防衛資金を頭金にまわさない
頭金をいくら用意すればいいかを考えるときに、真っ先に目が行くのが貯金です。ただし、貯金のすべて頭金にするのは危険です。
病気やケガ、会社の休業・廃業で現在の収入が減ってしまう可能性も否めません。そこで、確保しておきたいのが生活防衛資金です。
生活防衛資金とは、いざという時に生活で困らないように確保するお金です。目安としては、月収の3ヵ月分~6ヵ月分を準備できると良いでしょう。月収30万であれば、90万~180万あると安心できます。
ただし家族構成によっては、もう少し用意しておいた方が無難です。4人家族であれば、200万~300万くらいあれば安心できるでしょう。
つまり、貯金をすべて頭金にまわすことはせずに、生活防衛資金を手元に残して後の残りを頭金にするのがおすすめです。
3-2.着工中の変更にも対応できる手元資金に余裕をもつ
もうひとつは、着工中の変更にも対応できるように手元に資金を残しておくと良いです。とくに、注文住宅では着工後に変更が発生することが多いからです。
家を買うときに住宅ローンの本審査を通しますが、本審査は着工前に行います。つまり「着工後に設備のグレードを上げる」「部材の一部を変更する」といった変更には費用がかかるため、住宅ローンの借入額よりもオーバーしてしまいます。
そこで必要なのは追加費用が発生しても対応できる資金です。変更内容によって金額は異なるものの100万~200万ほどを見積もっておくと良いでしょう。
まとめ
購入する物件の種別によって頭金の金額は多少前後しますが、購入金額の10%~20%程度が頭金の目安です。
もし、フルローンで家を買うなら「毎月の返済額が増える」「利息負担が増える」「住宅ローンの審査が通らない場合がある」「現金は必要」の4つに注意しなくてはいけません。この4つの注意点をクリアにしたいのであれば、頭金を用意するのが無難でしょう。
頭金を試算ときには必ず、生活防衛資金と追加費用に備えて手元にお金を残しておくのがおすすめです。いざというときのお金が手元にないがゆえに後悔しないよう、余裕をもった資金計画にしましょう。
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