スキップフロアは家族が毎日使い続ける場所かどうかで決める|後悔しないための6つのポイント

本ページは広告リンクが含まれます。当サイトは広告収入を得て運営しております。

スキップフロアは家族が毎日使い続ける場所かどうかで決める|後悔しないための6つのポイント
シェア

床の高さをずらして数段の階段でつなぐスキップフロア。開放感が魅力的な人気の間取りです。

ただ、毎日の上り下りや掃除、冬の寒さといったデメリットや税金の扱いが気になる方も少なくありません。

写真の形をそのまま再現するよりも、家族が毎日使い続ける場所かどうかから考えると後悔を減らせます。

そこで今回は、使い道や家事の負担から、収納の床面積と税金、費用まで、後悔しないための6つのポイントを紹介します。

まずは、家族がスキップフロアで過ごしたい場面を1つメモしてみましょう。「休日に子どもが遊ぶ」「夜に本を読む」のような一言で十分です。

この記事で学べるコト

  • 家族に合うスキップフロアの使い道と置き場所がわかる
  • 家事・掃除・暑さ寒さで後悔しやすい場面がわかる
  • 子どもの転落への備えと階段を使えない時期の暮らし方がわかる

あなたにおすすめのサイトを「最短30秒」で診断

「注文住宅のポータルサイト、結局どこを使えばいい?」と、調べれば調べるほど選択の多さに迷ってしまうあなたへ。

  • 3つのサイトを同条件で比較
    — 提携社数・得意な領域・無料範囲・所要時間を整理しました
  • 最短30秒のミニ診断であなたにピッタリの比較サイトを提案
    — 面倒な登録は不要・2~3問を答えてその場で結果がわかる
  • 資料請求・プラン作成は無料
    — 気になるサイトにまずは相談!考えるよりも、行動することで理想の暮らしに近づきます
最短30秒!ミニ診断を始める

※ 診断に面倒な登録は不要。数回のクリックタップで完結します。

1.スキップフロアを毎日使える居場所にする

スキップフロアを毎日使える居場所にする

スキップフロアの開放感にひかれても使い道があいまいなままでは、本当に家族に必要な場所になるかどうかは決めにくいものです。

床の高さをずらす間取りと似た空間との違いを押さえて、誰が・いつ・何のために使う目的とする場所かをしっかりと定めてから置き場所を考えてください。目的によっては、小上がりや同じ高さの床も候補になるからです。

1-1.床の高さをずらす間取りの特徴と似た空間との違い

スキップフロアとは、1つの階の中で床の高さをずらして、数段の階段でつないだ間取りのことです。壁で仕切らずにつなぐと部屋の奥まで見通せるため、広く感じやすくなります。窓の位置によっては、光が奥まで届きやすくなるというメリットもあります。

また、家族の気配が伝わりやすいのも特徴です。ただし、上下の空間がつながる分、音や暖かい空気も移動しやすくなるので注意してください。

中二階は階と階の間に設けた床で、スキップフロアの一部を指すこともあります。ロフトは天井近くを収納などに使う場所で、はしごで上がることが多い空間です。

小上がりは部屋の一部の床を少し高くしたスペースで、畳コーナーなどに使われます。吹き抜けは、上下の階をつなぐ床のない空間です。

それぞれの呼び方は会社や資料によって異なり、名前だけで法律上の扱いは決まりません。執筆時点(2026年10月)の建築基準法施行令では、建物の部分によって階の数が異なる場合、いちばん多い数を建物の階数とします。

床の高さをずらした部分が階として数えられると、平屋のつもりで計画していても建築基準法では2階建て、2階建てのつもりでも3階建てとして扱われることもざらにあります。検討しているプランが何階建てになるかで、工事の前に受ける審査の内容や建物の強さの確かめ方が変わることがあるので覚えておきましょう。

出典:e-Gov法令検索「建築基準法施行令」

何階建てとして扱うかは、ハウスメーカーや工務店の設計の担当者に「希望の間取りは何階建てになりますか」と確かめるのがおすすめです。

1-2.使う人と時間帯に合う使い道と置き場所

スキップフロアの使い道は、書斎やキッズスペース・収納など、候補はいくつも挙がるでしょう。ただ、使う人と時間帯が決まっていないと置き場所も広さも決めにくくなります。

在宅勤務の机を置くなら、テレビや子どもの声との距離、座ったときの目線の高さが気になるところです。子どもの遊び場なら、キッチンから見える位置かどうかを確認してください。

収納で使う場合は、運ぶものの重さと使う頻度が判断の材料になります。机や家具の大きさ、人が通る幅も、希望として担当者へ伝えるとよいでしょう。

下表は、スキップフロアと似た目的を満たせる空間を比べたものです。

候補 目的・用途 気をつけること 担当者へ伝えること
人が過ごすスキップフロア(書斎・キッズスペースなど) 家族の気配が届く居場所 音の伝わり方と上り下り 使う人・時間帯・家具
小上がり 座ったり寝転んだりしてくつろぐ場所 つまずきと掃除の手間 座り方と広さの希望
収納用のロフト・スキップフロアの下の収納 季節のものをしまう場所 床面積に入れない扱いにするには、人が過ごす場所に使わない・出し入れの向きが限られるなどの条件があります。地域ごとの条件は第5章で紹介します しまうものと使う頻度
同じ高さの床+机や収納家具 段差なしで用途を分ける 家具を置いた後の通り道 家具の大きさと置き場所

段差をつくる前に、誰が・いつ・何をする場所なのかを家族で決めましょう。

忙しい家庭では、夫婦それぞれが使いたい場面を1つずつあげるだけでも、希望を共有しやすくなります。

1-3.敷地の高低差や平屋との相性

スキップフロアの取り入れやすさは、家族の希望だけでなく、敷地や建物の形でも変わります。

高低差のある敷地では、地面に合わせて床の高さをずらすと、土を削ったり盛ったりする量を減らせることがあります。ただし、土を支える壁や建物の基礎に必要な工事は、建物をたてる敷地しだいです。

狭い敷地では、縦の空間を使って収納や居場所を増やす考え方が必要になります。狭小地などでは斜線規制を意識しないといけません。

斜線制限とは、道路や隣の敷地の日当たりなどのために、建物の高さを場所ごとに制限するルールです。高さの制限で天井が低くなる部分を床の高さをずらして使うこともあります。

平屋でも、屋根の下の高さを使って、少し上げた床でスペースを確保して、その下を収納にするといった事例もあります。下の収納が第5章で紹介する条件に当てはまらないと、平屋ではなく2階建てとして扱われることがあるので注意が必要です。

また、平屋でも段差ができます。第4章で紹介する将来の暮らしやすさもあわせて考えておくと安心です。

スキップフロアの向き不向きは敷地と間取りによるため、狭い土地というだけでは決められません。土地探しの段階なら、高低差や高さの制限を担当者に伝え、段差を入れる場合と入れない場合の参考プランを聞くのがおすすめです。

スキップフロアと似た方法を比べる表を見ながら、家族が使いたい場面に合う候補を選んでみましょう。

2.家事と掃除で段差の負担を増やさない

家事と掃除で段差の負担を増やさない

スキップフロアに向かうための数段の階段でも、洗濯物や食器を持って何度も通るなら、日々の負担の感じ方は変わります。段数だけでは、毎日の使いやすさはわかりません。

洗濯や配膳で段差を越える場面から掃除のしかた・収納の出し入れまで、実際の利用シーンを想像しながら考えてみてください。何を持ってどこへ移動するかを考えると家事で困りそうな場所を具体的に伝えられます。

2-1.洗濯や配膳で段差を越える回数

毎日の家事で「何回、段差を越えるか」を数えると、写真ではわからない負担を考えやすくなります。生活動線を、普段の行動に沿ってたどるのがおすすめです。

洗濯なら、洗濯機から干す場所・しまう場所までが対象です。配膳ならキッチンと食事の場所までの行きと帰りに分けて数えてください。同じ段差を往復する場合は、越える回数を2回と数えます。

「荷物を持っている」「子どもを抱っこしている」「誰が担当する」をメモなどに書き出すと、家族で負担になる行動をイメージしやすくなります。家事以外では、夜に寝室からトイレへ行くときの段差も確認したいところです。

いまの住まいに段差がなくても、家事の順番と荷物を持って移動する回数は書き出せます。設計担当から図面が届いたら、同じ順番で平面図(間取り図)の上をたどり、移動の途中で段差を越える場所を探してください。

下表は、家事ごとに荷物を持って移動する回数や持つものを書き出すための記入表です。記入例のように、まず動きを言葉にできます。

家事のシーン 書き出すこと 記入例
洗濯 干す・取り込む・しまうときの移動の回数と担当 洗濯かごを持って、洗濯機から干す場所へ行き取り込んでしまう場所まで運ぶ
配膳・片付け 食器を運ぶ往復の回数と担当 食器を運んで食卓へ行きキッチンへ戻る
掃除 道具を運ぶ回数と担当 掃除機を持って、部屋から部屋へ運ぶ

最初は、毎日くり返す家事を1つだけ書けば十分です。朝の家事を全部調べる時間がなければ、夫婦で洗濯と配膳を分担して、1日だけ数えると始めやすくなります。

段差の負担は段数だけでなく、荷物を持って段差を越える1日の回数で考えることが大切です。

家事で行き来する距離も短くしたい方は、回遊動線の考え方も参考にしてください。段差を越える回数と移動する距離をあわせて見ると希望する間取りを考えやすくなります。

2-2.掃除のしかたと収納の出し入れ

床の高さが異なると掃除機を持って段差を移動する手間が増えます。階段の段差や角にたまるほこりも、日々の掃除で気になるところです。

ロボット掃除機が越えられる段差は機種によって異なり、階段のような段差は越えられないのが一般的です。床ごとに置くか、持ち運ぶか、充電する場所をどこにするかまで考えなくてはいけません。

スキップフロアの下の収納は天井が低く、かがんで出し入れすることが多くなります。重いものや毎日使うものよりも季節の飾りなど、使う頻度の低いものをしまう場所に向いています。

ただし、奥行きが深いと奥のものを取り出しにくくなるので注意が必要です。収納の量と置き場所を考えるときは、収納計画のコツも参考になります。

スキップフロアの下の収納を、下の床の高さから段の側面にある扉や開口を通って、横から出し入れする形にすると、床面積に入らない扱いにできない地域もあります。後述で紹介する3つの市は、いずれも横からの出し入れを制限しています。

ハウスメーカーや工務店には、使いたい掃除道具と収納から出し入れするものを伝えるのがおすすめです。「掃除の負担を抑えたいので、段差を減らしたプランも見せてもらえますか」と頼むと、暮らしに合う方法を比べられます。

明日の朝の家事で荷物を持って移動する回数を数えてみましょう。

3.スキップフロアで「暑さ・寒さ」と「音」に悩まず過ごす方法

上下につながる空間でも「暑さ・寒さ」と「音」に悩まず過ごす方法

家族の気配を感じやすい間取りにしたくても、仕事や寝る時間には静かな場所がほしくなるものです。上下につながる空間では、暑さや寒さも気になるでしょう。

スキップフロアを「使う時間帯」「冷暖房の効率」「音やにおいの広がりやすさ」で分けて考えることが大切です。

3-1.上下でつながる空間の暑さ・寒さと冷暖房

スキップフロアの「寒い」「暑い」という悩みには、上下につながる空間のため、空気の動きが大きく関わります。暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へたまりやすい性質があるからです。

冬は低い床で寒さを感じやすく、夏は高い床に熱がこもりやすくなります。ただし、温度の差は床の高さだけで決まるものではありません。

室内の温度は、断熱と気密の性能に加えて、窓の位置や大きさで日差しの入り方も変わります。エアコンの位置と台数、シーリングファンなどで空気を回す方法も大切です。

ハウスメーカーや工務店の設計の担当者には、冷暖房の計画を図面で説明してもらうのがおすすめです。「上と下のスペースを、それぞれどのエアコンで冷暖房する計画ですか。夏と冬に温度の差が出やすい場所はどこですか」と聞くようにしてください。

上下でつながる空間は、断熱の性能だけでなく、エアコンの位置と空気の流れまで、担当者に図面で説明してもらいましょう。

3-2.在宅勤務や就寝を妨げにくい音とにおいへの配慮

家族の気配が伝わる間取りでは、声や生活音も届きます。

たとえば、リビングの上の段に書斎をつくると、オンライン会議中にテレビや子どもの声が届くことがあります。

会議・テレビ・子どもの遊び・就寝が重なる時間帯は、プライバシーを守りたい居場所を決める手がかりになります。寝室の近くに、にぎやかな場所がつながっていないかも確認したいところです。

視線をさえぎることと、音をさえぎることは別の話です。腰の高さほどの壁や格子で目線を分けても、開けた部分から音が伝わってしまうため、音を止める効果はあまり期待できません。

静けさが必要な場所には、扉や引き戸で空間を区切る方法もあります。ただし、閉めると光の入り方や空気の流れも変わるため、冷暖房とあわせて相談する必要があります。

スキップフロアではキッチンのにおいも広がりやすくなります。換気扇の位置と空気の流れは、書斎や寝室とのつながりも含めて担当者に図面で見せてもらってください。

音とにおいが気になる場合は「書斎や寝室に、テレビの音やキッチンのにおいが届きにくい配置にできますか」と聞くのがおすすめです。

4.子どもが小さくても老後の暮らしを計画に落とし込む

子どもが小さくても老後の暮らしを計画に落とし込む

子どもの遊び場として考えたスキップフロアも、成長とともに使い方が変わります。けがや年齢によって、階段の上り下りがつらくなる時期がくるかもしれません。

今の暮らしには段差まわりの安全対策を、未来の暮らしには階段を使わずに過ごせる範囲を考えることが大切です。家具の運び入れや手入れまで含めて、長く使える場所なのかを家族で話し合ってみてください。

4-1.子どもの転落とつまずきへの備え

数段の階段でも、小さな子どもには高さがあり、つまずきや転落の心配は残ります。見守りやすい位置にあるだけで、安全対策が済むわけではありません。

手すりは、子どもが上り下りするときにつかまれる位置に設置するのが大切です。柵や腰壁は、子どもが通り抜けるすき間や足をかけてよじ登れる部分がないかを確認するのも重要です。

ソファや収納棚が、柵を越える足場にならない置き方も考えてください。足元の照明や段ごとに床の色を変える工夫など、夜でも段差を見分けやすくする方法もあります。

ベビーゲートには、階段の上に取り付けを禁止している製品もあるため、取り付ける場所に適した製品かどうかを取扱説明書で確かめてください。

出典:消費者庁「Vol.557 ベビーゲートを正しく使用し事故を防止しましょう!」

取り付けたい位置にねじで固定できる下地があるか確かめておくのも大切です。

ハウスメーカーや工務店には、子どもの年齢と見守りたい場所を伝えると相談しやすくなります。「子どもが小さいうちに、どこに柵やゲートを付けられますか」と聞いてみましょう。

段差まわりとあわせて、遊ぶ場所や家事のしやすさを考えたい方は、子育てしやすい家の工夫も参考になります。

4-2.階段を使えない時期と、長く使い続けるための備え

階段がつらい時期は、老後だけとは限りません。足のけがや出産の前後など、一時的に上り下りの負担を減らしたい時期も考えられてます。

寝る場所・トイレ・浴室・食事の場所・玄関ホールが、同じ高さの床でつながるかがポイントです。「1階にある」だけでは、途中に段差がないとは限りません。平屋にスキップフロアを入れる場合も、同じ確認が必要です。

階段を使えないときは、次の3つの移動手段を確かめてください。

  • 寝室からトイレまで、段差なしで行ける
  • 寝室から浴室と食事の場所まで、段差なしで行ける
  • 玄関ホールから寝室まで、段差なしで行ける

階段を使えない時期が来ても、寝る・トイレ・入浴・食事と玄関ホールまでの移動を、ストレスなく行き来できるか確かめましょう。

担当者には「寝室・トイレ・浴室・食事の場所・玄関ホールを、段差のないフラットな床でつなぐプランにできますか」と聞いてみてください。

寝る・トイレ・入浴・食事と玄関ホールまでの移動を、同じ高さの床でつなげないプランなら、スキップフロアを毎日の動線から外すプランや小さくするプランも候補になります。

子どもの遊び場を独立後に書斎や趣味の場所に変えるなら、机を置ける広さ・コンセント・照明を最初から用意しておくと使い道を変えやすくなります。

家具を運び入れられるか、高い窓や照明をどう掃除するかも、使い続けるための判断材料です。

将来の床の撤去や昇降機の取り付けをあとから簡単にできるとは限りません。必要なら、設計の段階で実現できる構造か、費用はどのくらいかを聞いてください。

5.収納の「床面積」と「固定資産税」の扱いを確かめる

収納の「床面積」と「固定資産税」の扱いを確かめる

敷地ごとに建てられる家の広さには上限(容積率)があります。スキップフロアの下部分の収納を床面積に入らない扱いにできれば、その上限の中でも、ものをしまう場所を増やすことができます。

ただ、床面積に入れない条件は、建てる地域や、工事の前の審査(建築確認)を申し込む先によって異なります。「固定資産税も安くなる」と聞くこともありますが、税の扱いは床面積とは別に決まります。

収納の高さの測り方と地域ごとの条件を押さえ、床面積と固定資産税をそれぞれ誰に聞くかを本章で理解しましょう。

5-1.床の段差と収納の天井の高さの違い

「1.4m以下なら床面積に入らない」と聞くと、床の段差を思い浮かべるかもしれません。しかし、床どうしの段差と収納内の高さは、測る場所が異なります。

床どうしの段差は、スキップフロアの床と隣の床との高さの差です。内法(うちのり)の高さとは、収納の床の表面から天井の表面までを、内側で測った高さです。

後述する三鷹市・調布市・取手市の基準には、どれも1.4m以下という条件があります。この1.4m以下は、収納の内法の高さの条件で、床どうしの段差の基準ではありません。

調布市と取手市は、天井がいちばん高いところで1.4m以下かどうかを判断します。また、高さが1.4m以下でも、それだけで床面積に入らない扱いになるわけではありません。

断面図は建物を縦に切った形で、床や天井の高さの関係を示す図です。設計の担当者には「人が過ごす床と収納を分けて、床どうしの段差と収納の床から天井までの高さを、断面図に書いていただけますか」と頼むのがおすすめです。

5-2.建てる地域で異なる「床面積に入らない収納」の条件

施工例で見た収納が、建てたい地域でも同じ扱いになるとは限りません。

小屋裏物置等とは、屋根裏や床下などの余った空間を収納に使う場所で、条件を満たすと建物の階数や床面積に入れない扱いになるものです。

たとえば三鷹市は、収納のためにつくり出した空間を余った空間に含めていません。

建築確認は、工事の前に家の計画が法律に合っているかを都道府県や市区町村、または審査を担う民間の指定確認検査機関に確かめてもらう手続きです。どこまで認めるかの細かい基準は、建てる地域や申し込む先によって異なります。

三鷹市・調布市・取手市は、小屋裏物置等の条件を公開している自治体の例です。同じ収納でも市によって扱いが異なります。

3市とも、収納の内法の高さは1.4m以下が条件です。違いが出やすいのは、スキップフロア型の収納を認めるかどうかです。

スキップフロア型の収納とは、階段の途中などから出入りする、階と階の間の高さ(中間階)に設けた収納です。上げた床の下の、段の側面にある扉や開口を通って横から出し入れする収納とは形が異なるため、同じ扱いになるとは限りません。

取手市は、小屋裏物置等の取扱い全体を取手市に建築確認を申し込む場合のものとしています。民間の指定確認検査機関に申し込む場合は、申し込み先の基準も確かめる必要があります。

下表は、執筆時点(2026年10月)で3市が公開している条件の一部です。三鷹市は2018年9月更新のページ、調布市は2023年4月の資料、取手市は2020年12月からの扱いに基づきます。

確かめること 三鷹市 調布市 取手市
中間の階・スキップフロア型の収納 中間階の収納は、原則として床面積に入らない扱いにできない 中間の階についての記載はない。どの物置にも、物置の真上と真下の天井の高さ2.1m以上などを求めている 階の中間の物置も、収納に限り、条件付きで床面積に入らない扱いにする(物置の真下の天井の高さ2.1m以上など)
出し入れの向き 横から入って使う収納は、原則として床面積に入らない扱いにできない 横から入る収納は、床面積に入らない扱いにできない。上の階から使う場合は、床のふた(ハッチ)などから出し入れする 床の高さから横に入る収納は、下屋(2階建ての家で、1階だけが張り出した部分の屋根の下)に設ける場合に限る。階段の途中から使う場合は踊り場から
固定階段 階段部分を物置の面積に入れる。屋上へ上がる階段との兼用は不可 階段部分を物置の面積に入れる。ほかにも追加の条件あり 階段部分を物置の面積に入れる。物置専用の階段に限る
窓 窓などは物置の床面積の1/20未満。天窓は不可 外壁の一面ごとに窓の面積の上限あり 大きさ・数・仕様は特定していない

表にあるのは条件の一部で、ほかにも広さや天井の高さなどの決まりがあります。3市とも、ものをしまうために使うことが前提で、書斎や遊び場として使うための条件ではありません。

下の床の高さから段の側面にある扉や開口を通って、横から出し入れする収納は、三鷹市では原則として、調布市でも、床面積に入らない扱いになりません。取手市の資料では、床の高さから横に入る収納は、下屋に設ける場合に限られています。

三鷹市は、ものをしまうためだけに使い、居室(寝室やリビングのように、人が続けて過ごす部屋)として使う見込みがないことを求めています。

三鷹市の場合、エアコン・テレビやLANのコンセント・畳やじゅうたんの床がある収納は、床面積に入らない扱いになりません。壁紙・照明・電源コンセントは認めています。

出典:
三鷹市「小屋裏物置等の取扱いについて」
調布市「小屋裏物置等の取扱い」
取手市「小屋裏物置等の取扱い」

床面積に入らない収納にしたい場合は、書斎や遊び場には使わない前提で、出し入れの向きも含めて、建てる地域と建築確認の申し込み先の条件を、設計の担当者に確かめてもらいましょう。

ハウスメーカーや工務店には「スキップフロアの下の収納は、出し入れの向きも含めて、床面積に入らない扱いにできますか」と聞いてください。

同じ収納でも、建てる地域によっては床面積に入る扱いになります。

5-3.床面積と固定資産税

床面積に入らない収納なら、固定資産税も安くなると思いがちです。ただ、建築の床面積と固定資産税の評価は、別の窓口がそれぞれのルールで決めるものです。

家の固定資産税は、市区町村(東京23区は東京都)が家の価値を見積もった評価額をもとに計算されます。家屋の評価は、国が定める固定資産評価基準に沿って、全国で同じ考え方で行われます。

神戸市の説明では、家屋の評価は再建築価格(評価するときに、同じ家を新しく建てるためにかかる建築費)をもとにする方法です。どんな資材を使い、どれだけ施工したかを確かめて求めるもので、請負金額(工事の契約で決めた金額)の何割と決めるわけではありません。

出典:
総務省「固定資産税の概要」
神戸市「家屋の評価」

床面積に入らないことが、そのまま固定資産税が安くなることや税がかからないことを意味するとは言えません。税額は家ごとに異なるため、建てる市区町村(東京23区は都税事務所)の固定資産税の担当に確かめる必要があります。

下表のように、床面積の扱いと税の評価では聞く相手を分けてください。

確かめること 聞く相手 聞くこと
床面積・何階建てか ハウスメーカーや工務店の設計の担当者 希望の間取りは何階建てになりますか。建てたい地域では、建築確認をどこに申し込む予定ですか。その申し込み先の基準で、スキップフロアの下の収納は、出し入れの向きも含めて、床面積に入らない扱いにできますか
固定資産税の評価 建てる市区町村の固定資産税の担当(東京23区は都税事務所) 計画中の収納は、家屋の評価でどう扱われますか

専門用語を覚える時間がなければ、「収納に入れるもの」と「人が過ごす予定があるか」を担当者に話すところから始めて大丈夫です。

収納に入れたいものと使い道を、設計の担当者に伝えてみてください。

6.建物の強さと追加費用から採用する規模を決める

建物の強さと追加費用から採用する規模を決める

スキップフロアの費用には、段差を支える構造や階段以外の工事も関わります。追加費用がわからないままでは、予算に収まるかを判断できません。

建物の強さの確認方法と費用を同じ条件で比べる頼み方、相談で聞くことを知っておくと、採用する規模や見送る選択肢を落ち着いて考えられます。

6-1.段差のある家の耐震性の確認方法

床の高さがずれる家では、床や壁のつながりが途中で分かれる部分ができます。そのため、地震や風に対する建物の強さ(耐震性など)の確認方法が複雑になりやすい点に注意が必要です。

執筆時点(2026年10月)で計画する木造の家では、2025年4月に見直された基準で建物の強さを確かめることになります。

2025年4月1日から、木造2階建てや延べ床面積が200㎡を超える木造平屋なども、建築確認で構造の審査が省略されなくなりました。あわせて、壁量などの基準も見直されています。

一部の木造の建物で改正前の壁量や柱の太さの基準で使えた経過措置は、2026年3月31日までに着工した建物が対象だったため、すでに終わっています。

出典:
国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」、「建築基準法関係」、「令和8年3月をもって壁量基準等の経過措置が終了します」

建物の強さを確かめる方法には、壁の量や配置を確かめる方法のほか、構造計算があります。構造計算とは、柱や梁(はり)にかかる力を計算して、建物の安全性を確かめる方法です。

どの方法で計算するかは、建物の規模やハウスメーカー・工務店の進め方によって異なります。担当者には「この間取りでは、どの方法で建物の強さを確かめますか。その費用は見積もりのどこに含まれていますか」と聞いてみてください。

複数の会社を比べるなら「スキップフロアのある家をどのくらい建ててきたか」「耐震性をどのように計算しているか」を聞くのもひとつの手です。

施工実績を見るときは、施工例の写真の多さだけで判断しないことが大切です。構造の確かめ方、建てる地域の基準の確認、冷暖房の計画まで、言葉で説明してもらえるかをあわせて比べましょう。

6-2.追加費用は同じ条件で比較

スキップフロアだけを取り出した追加費用は、どこまでをスキップフロアの工事に含めるかハウスメーカーや工務店ごとに異なるため、見積もりを依頼して計画している注文住宅の金額を出してもらうのがおすすめです。

同じ延べ床面積なら、階段・手すり・構造の確認・冷暖房の工事が増える分、費用は高くなりやすいです。設計の実務でよく見られる傾向で、間取りによって費用は変わります。

最初の相談で「スキップフロアを入れると、費用はどのくらい増えそうですか。『◯万円〜◯万円』のような幅で教えてもらえますか」と聞くと候補先を残すか早めに決められます。

金額を比べるときは「延べ床面積・部屋の数・断熱の性能と窓、キッチンや浴室などの設備をそろえて、スキップフロアあり・なしの2つのプランで、総額の差と内訳を出していただけますか。エアコンは、それぞれのプランに必要な台数と置き場所で入れていただけますか」と頼むのがおすすめです。

あわせて「内訳は、構造・基礎・階段と手すり・冷暖房・収納の棚・設計と申請のように、増える工事と減る工事に分けていただけますか」と添えると、変わる工事ごとに比べやすくなります。

最初の見積もりは概算になることが多く、プランが固まるにつれて金額が変わる点も知っておくと安心です。

下表は、追加費用を比較するときに、条件をそろえる依頼のしかたをまとめたものです。

そろえる条件 依頼すること 記入例
広さと使い道 延べ床面積・部屋の数・キッチンや浴室などの設備をそろえた2つのプラン スキップフロアなしのプランも見たい
断熱の性能と窓 断熱の性能と窓は同じにし、エアコンはそれぞれのプランで必要な台数と置き場所を出してもらう 段差の有無で、エアコンの台数や冷暖房費の目安が変わるかも知りたい
変わる工事の内訳 増える工事と減る工事を分けた金額 構造・基礎・階段と手すり・冷暖房・収納の棚・設計と申請に分けてほしい

スキップフロアありのプランの総額が予算の上限を超えるなら、最初にメモした「家族がスキップフロアで過ごしたい場面」に必要な広さだけを残したプランや段差をつくらないプランも候補になります。同じ条件で出してもらうと、見送るかどうかを決めるときの材料にもなります。

追加費用は、依頼表の条件をそろえた「スキップフロアあり・なし」の2つのプランで、変わる工事ごとに比べましょう。

見積もりの頼み方は、見積もりを依頼するときのポイントで詳しく紹介しています。

6-3.ハウスメーカーや工務店へ相談するときに聞くこと

相談するときは、次の3つを一緒に伝えておくと、担当者がプランを考えやすくなります。

  • 家族の希望(誰が・いつ・何をする場所)
  • 建てる地域と今の検討状況
  • 予算の上限とまだ決まっていないこと

下表は、スキップフロアについてハウスメーカーや工務店へ相談するときに聞くことをテーマごとに並べたものです。

確かめたいこと 担当者への聞き方
家事と掃除の負担 掃除の負担を抑えたいので、段差を減らしたプランも見せてもらえますか
子どもの安全 子どもが小さいうちは、どこに柵やゲートを付けられますか
階段を使えない時期の暮らし 寝室・トイレ・浴室・食事の場所・玄関ホールを、段差のないフラットな床で行き来できるプランにできますか
床面積に入らない収納 建てたい地域では、建築確認をどこに申し込む予定ですか。その申し込み先の基準で、スキップフロアの下の収納は、出し入れの向きも含めて、床面積に入らない扱いにできますか
追加費用の目安 スキップフロアを入れると、費用はどのくらい増えそうですか。「◯万円〜◯万円」のような幅で教えてもらえますか
施工実績 御社では、スキップフロアのある家をどのくらい建てていますか。これまでの家では、床の高さが違う部分の強さを、どのように確かめましたか
何階建てになるか 希望の間取りは何階建てになりますか
暑さ・寒さと冷暖房 上と下のスペースは、それぞれどのエアコンで冷暖房する計画ですか。夏と冬に温度の差が出やすい場所はどこですか
音とにおい 書斎や寝室に、テレビの音やキッチンのにおいが届きにくい配置にできますか
収納の高さ 人が過ごす床と収納を分けて、床どうしの段差と収納の床から天井までの高さを、断面図に書いていただけますか
追加費用の比べ方 延べ床面積・部屋の数・断熱の性能と窓、キッチンや浴室などの設備をそろえて、スキップフロアあり・なしの2つのプランで、総額の差と内訳を出していただけますか。エアコンは、それぞれのプランに必要な台数と置き場所で入れていただけますか
内訳の分け方 内訳は、構造・基礎・階段と手すり・冷暖房・収納の棚・設計と申請のように増える工事と減る工事に分けていただけますか
建物の強さ この間取りでは、どの方法で建物の強さを確かめますか。その費用は見積もりのどこに入っていますか

上表から、最初の相談で聞きたい質問を家族で選んでみましょう。

まとめ

スキップフロアで後悔しやすいのは、写真の印象で決めてしまい、毎日の使い道や家事、暑さ・寒さ、将来の暮らしを考えないまま進めた場合です。

収納の床面積と構造は設計の担当者に、固定資産税は建てる市区町村(東京23区は都税事務所)の担当に、分けて確かめることが大切です。追加費用は、同じ条件の2つのプランで比べると判断しやすくなります。

目的によっては、スキップフロアを小さくする、小上がりや同じ高さの床で目的を満たす、という選び方も合理的です。見送る判断も、暮らしに合っていれば前向きな選択のひとつです。SNSの写真と同じ形にこだわらず、毎日使い続けられるかを基準に選びましょう。

まずは、相談で聞くことの表から最初の相談で聞く質問を選び、家族が過ごしたい場面と一緒に、候補のハウスメーカーや工務店に伝えてみてください。相談先を探す方は、建築会社を選ぶポイントも参考にしてください。

「どこの建築会社に相談しよう?」
業者選びを始めるなら
各社のプランを無料で比較!

   各社のプランを無料で比較!

注文住宅は一生に一度の大きな買い物。絶対に失敗したくない!

家族の理想を叶えてくれる建築会社を決められない...

素敵な内観を参考にしてるけど取り入れたいプランがありすぎる!

   

ひとつでも当てはまるなら、
複数社のプラン比較がおすすめです

家族の理想をカタチにできる注文住宅。
理想を実現するためには、優れたパートナー選びが大切なのはわかる。

だけど、一社一社調べるには時間も手間もかかって効率が悪い、、、

そこで、すきま時間の情報収集で利用してほしいのが
「タウンライフ家づくり」です。

タウンライフ家づくりでは、家づくりで大切な「資金計画」から「間取り」など、あなたの要望にあったプランをまとめて比較できます。

もちろん利用は無料!
提案してくれた企業と契約しないといけない縛りもありません。

これから理想の家づくりを始めるなら、まずは自分にピッタリな間取りプランを把握しましょう。

   【PR】 タウンライフ家づくり

この記事が少しでも『参考になった!』と思ったらシェアをお願いします

記事の要点をSNSでも

図解はInstagram、記事の要点はXとFacebookで発信しています。最新の記事はfeedlyでも受け取れます。

よく読まれている記事