新築住宅を購入する方の多くは住宅ローンを利用するでしょう。人生の大きな買い物である住宅には多くの費用がかかります。
そんな住宅ローンでは、住宅ローン減税(控除)を上手に活用しなくてはいけません。
2022年の税制改正では、2024年の入居から借入限度額を引き下げる予定でした。しかし、昨今のインフレによる物価高の影響で住宅価格が高騰していることを理由に、政府が子育て支援の観点から借入限度額の上乗せ措置を行うと発表しました。
そこで今回は新築住宅の取得を検討している方に向けて、住宅ローン減税の変更点について紹介します。2024年の住まいづくりの参考に本記事をご活用ください。
※本制度変更については、今後の国会で関連税制法の成立することが前提です。
この記事で学べるコト
- 令和6年度税制改正大綱に盛り込まれた制度変更がわかる
- 世帯別の借入限度額と控除額がわかる
目次
1.【2024年】住宅ローン減税の2つの変更点
住宅購入を検討している方にとって、住宅ローン減税は建築や購入にかかる資金の一助になります。使わない手はない制度です。
2022年の住宅ローン減税では大きな改正がありました。制度の根幹は過去の記事で詳しく解説した記事があります。本記事とあわせて、ぜひ、ご一読ください。
多くの資金が必要な住宅では、税に関する制度も理解しておくことが大切です。少しでも負担を軽減するためにも、ぜひ覚えておきましょう。
今回の令和6年度税制改正大綱に盛り込まれた住宅ローン減税の変更点は次の2つです。
- 子育て世帯と若者夫婦世帯を対象に借入限度額が2023年水準に変更
- 床面積の要件を緩和する措置が延長
それぞれの変更点について詳しく紹介します。
1-1.子育て世帯と若者夫婦世帯を対象に借入限度額が2023年の水準に変更
令和6年度税制改正大綱において、子育て世帯と若者夫婦世帯の要件が追加されました。
対象の世帯が2024年に入居する場合、借入限度額が2022年~2023年までの入居の水準を維持することになりました。
子育て世帯と若者夫婦世帯の要件については以下のとおりです。
- 子育て世帯:18歳以下の子供がいる世帯
- 若者夫婦世帯:夫婦のどちらかが39歳以下の世帯
上記のいずれかの世帯が住宅ローン減税を受ける場合に対象となります。
1-2.床面積の要件を緩和する措置が延長
床面積の要件についても緩和する措置が延長となりました。緩和する措置の延長については、すべての世帯が対象です。
床面積要件では、住宅ローン減税の対象となる物件の床面積は50㎡以上としています。しかし、新築住宅に限り床面積要件を40㎡以上に緩和されます。
当初の計画では、2023年12月31日までの期限を設けていましたが、今回の変更で緩和措置が2024年12月31日まで延長されることになりました。
ただし、合計所得額が1,000万円以下であるという所得要件があるので注意が必要です。
2.どのように変わる?世帯別の借入限度額と控除額
前述で変更点を解説しました。本章ではもう少しわかりやすく金額の違いについて見てみましょう。
世帯によって借入限度額と最大控除額にどのような違いがあるか視覚的にもわかるように表でまとめています。比較しながらご覧ください。
2-1.世帯別による借入限度額の違い
まずは、住宅ローン減税の対象となる借入限度額の違いです。世帯別の借入限度額の違いは、下表のとおりです。
共通 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 左記世帯以外 | |
---|---|---|---|
2022年~2023年 | 2024年 | 2024年 | |
認定住宅 | 5,000万円 | 5,000万円 | 4,500万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 4,500万円 | 3,500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 4,000万円 | 3,000万円 |
その他の住宅 | 3,000万円 | 0円 ※2023年までに新築の建築確認で2,000万円 |
子育て世帯・若者夫婦世帯は、省エネ性能を有する注文住宅の新築もしくは新築住宅の購入で2023年と同等水準の借入限度額が維持されます。
省エネ基準に適合していない住宅の場合、2023年までの建築確認で借入限度額は2,000万円になります。2024年以降の建築確認では住宅ローン減税をうけられないので注意が必要です。
2-2.世帯別による最大控除額の違い
続いては控除される金額の違いを見てみましょう。以下の表は期間内で控除される最大の金額です。
共通 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 左記世帯以外 | |
---|---|---|---|
2022年~2023年 | 2024年 | 2024年 | |
認定住宅 | 455万円 | 455万円 | 409.5万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 409.5万円 | 409.5万円 | 318.5万円 |
省エネ基準適合住宅 | 364万円 | 364万円 | 273万円 |
その他の住宅 | 273万円 | 140万円(控除期間:10年) ※2023年までに新築の建築確認の場合 |
控除される期間は13年です。13年の間で最大の控除をうけた場合に上の表の金額が戻ってきます。ただし、2023年までに建築確認のその他の住宅については10年と控除期間が短くなっているので注意が必要です。
住宅性能によって控除額は異なりますが、約45万円~90万円の差が生じます。
3.住宅ローン減税で気を付けておくべき2つの注意点
最後に住宅ローン減税で気を付けて欲しいポイントを2つ紹介します。
- あくまで納めた所得税から控除されることを覚えておく
- 2025年も2024年と同様の方針で検討することを明言しているが確実ではない
3-1.あくまで納めた所得税から控除されることを覚えておく
住宅ローン減税は、年末時点の住宅ローンの残高に応じて所得税から控除される仕組みのため、あくまで納税した所得税以上に控除額が戻ってくるわけではありません。
ただし、所得税から控除しきれなかった分については、一定条件で住民税から控除されます。
3-2.2025年も2024年と同様の方針で検討することを明言しているが確実ではない
今回の変更は2024年12月31日までに対象住宅への入居が対象です。令和6年度税制改正大綱には2025年も同様の方針で検討すると明言しているものの定かではありません。
令和7年度税制改正大綱でどのような改正になるかは不確実なため、住宅の取得を検討している方は早めの行動をおすすめします。
まとめ
令和6年度税制改正大綱で2024年の住宅ローン減税が変更となりました。子育て世帯と若者夫婦世帯を対象に2023年と同等の税制優遇が受けられます。
- 子育て世帯:18歳以下の子供がいる世帯
- 若者夫婦世帯:夫婦のどちらかが39歳以下の世帯
延長期間は1年です。ただし、2025年も2024年と同条件で延長を検討しているものの定かではありません。
新年を迎えて今年ことはマイホームの購入を検討している方は、本記事を参考に住宅ローン減税の理解を深めて住宅取得の一助にしてください。
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