
外張り断熱のハウスメーカーを探しても、どの商品で外張り断熱を選べるのかは、わかりにくいものです。各社の商品と仕様を比べると相談する候補を絞りやすくなります。
住宅展示場の営業から「外張りだから暖かい」と聞いたのに、別の会社では充填断熱(柱などの骨組みの間に断熱材を入れるやり方)でも性能の数値が良いと言われて、迷うことも少なくありません。会社やブランドの名前だけでなく、建てたい家で選べる仕様まで確かめることが大切です。
そこで今回は、各社の公式サイトで外張りを含む断熱仕様を確かめられた9社を紹介します。多くは充填断熱と組み合わせた仕様で、同じ会社でも商品によって内容が違います。商品名・断熱仕様・標準に含まれるかを比較するとハウスメーカー選びの判断で役立ててください。
この記事で学べるコト
- 外張り断熱を採用する9社の商品と各社が公表している断熱等級、会社ごとの対応エリアの目安がわかる
- 外張りだけとダブル断熱の違いと充填断熱の会社も含めた断熱方式・厚み・施工・費用の比べ方がわかる
- 候補の会社の資料の集め方とはじめの相談で聞く5つの質問がわかる
断熱等級や気密の基本から知りたい方は、断熱と気密の基本もあわせてご覧いただくのがおすすめです。性能を示す数字の意味を理解しやすくなります。
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目次
1.外張り断熱を採用するハウスメーカー9社の商品から候補を選ぶ

同じハウスメーカーでも、外張りの断熱材を使うかどうかは、商品や仕様によってわかれることがあります。まずは後述する各社の一覧で、外張りを含む断熱にあたる商品と会社ごとの対応エリアの目安を確かめてください。
それぞれの商品で公表している断熱等級や標準に含まれるかは、第2章で1社ずつ同じ項目で紹介しています。
1-1.公式で確認できた9社の商品と断熱仕様の呼び方
断熱の仕様はそれぞれの会社の公式サイト、施工対応エリアは公式サイトとポータルサイトなどから調査した内容です。掲載順は五十音順で、おすすめの順位ではありません。
この一覧にない会社にも、外張り断熱を採用しているハウスメーカーや工務店もあるので、あくまで参考として捉えてください。
断熱等級、標準orオプション、断熱材の厚み、展示場などは、第2章のそれぞれの会社紹介でまとめています。
| 会社名 | 対象の商品・仕様 | 公式サイトでの呼び方 | 会社の対応エリアの目安 |
|---|---|---|---|
| 一条工務店 | グラン・スマート、アイ・スマート | 外内ダブル断熱構法 | 沖縄・高知を除く45都道府県(LIFULL HOME’S掲載情報) |
| クラージュホーム(アエラホーム) | クラージュ、プレスト、ERABERU、まちの建築家プロジェクト、THE CA. | 外張W断熱 | 参考:岩手・宮城の全域と福島など14都県の一部(LIFULL HOME’Sの「アエラホーム株式会社」名義の掲載情報) |
| 住友不動産ハウジング(住友不動産) | 断熱最高等級7の家、2×4工法のダブル断熱(2024年の発表) | 内外ダブル断熱 | 北海道・宮城・関東1都6県・新潟・東海4県・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・広島・福岡・佐賀・熊本の23都道府県(SUUMO掲載情報) |
| 泉北ホーム | +℃ermo7G(プラスサーモセブンジー) | ダブル断熱 | 大阪府の全域と兵庫・京都・奈良・和歌山・滋賀の一部(一部地域だけの市町村もある)(公式) |
| 大和ハウス工業 | xevoΣ/xevo GranWood、xevo BeWood | 内外ダブル断熱(外張り断熱通気外壁)/遮熱外張り断熱工法 | 関東・東海・近畿(和歌山を除く)・中国(岡山・広島。福山エリアを除く)・四国(香川・愛媛)・九州(福岡・熊本)の22都府県(公式) |
| トヨタホーム | エスパシオのシリーズ | ニューハイブリッド断熱工法 | 岩手(一部)・宮城・福島・関東1都6県・山梨・長野・東海4県・近畿2府4県・徳島・岡山・広島・山口・福岡・佐賀・大分・熊本の30都府県(公式) |
| ミサワホーム | スマートテック断熱アドバンス | 外張断熱(外壁外張断熱パネル) | 全国(沖縄・離島・山間部など一部地域を除く。SUUMO掲載情報) |
| 三井ホーム | MOCX THERMO | 超高断熱内外ダブル断熱 | 全国(一部エリアを除く。ANAの住まい掲載情報) |
| ヤマト住建 | エネージュG3+、LEGANTIA、LEGANTIA-S、エネージュW、エネージュN、エネージュN+、エネージュSGR、ZERO+、Meias | 外張り断熱工法(断熱の方針)、内・外W断熱(エネージュW) | 近畿・関東・中部・中国・四国・九州に展開(市区町村・敷地・商品で違うことがある。公式) |
※掲載した商品の提供地域は、会社全体の対応エリアと違うことがあります
※関東1都6県は東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬、東海4県は愛知・岐阜・静岡・三重、近畿2府4県は大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山。クラージュホームの「14都県の一部」は、福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・東京・神奈川・山梨・長野・岐阜・愛知・岡山・広島・福岡の一部の市区町村
対応エリアはハウスメーカー選びの目安として活用していただき、出典は後述する「施工対応エリア」に載せています。
市区町村や敷地、商品によって対象にならないことがあるため、建てる土地と検討する商品を担当者に伝えて確かめてください。
1-2.外張りだけとダブル断熱の違いと商品ごとの外張りの有無
外張りだけの家と外張りに充填断熱を組み合わせた家の違いは、断熱材を柱の外側だけに入れるか、柱の間にも入れるかで決まります。
木造の壁を「室内側 → 柱の間 → 柱の外側 → 外壁」の順に見ると断熱材を入れる位置で、どの方式かがわかります。
| 壁の断熱の組み合わせ | 柱の間の断熱材 | 柱の外側の断熱材 |
|---|---|---|
| 充填断熱だけ | あり | なし |
| 外張り断熱だけ | なし | あり |
| 充填断熱+外張り断熱(付加断熱) | あり | あり |
表の「充填断熱+外張り断熱」のように、充填断熱に外側の断熱材を足すやり方を付加断熱といい、会社によっては「ダブル断熱」「W断熱」とも呼びます。ただ、何と何を組み合わせているかは、呼び方だけではわかりません。
標準の仕様にプラスして外側の断熱材をオプションで用意している会社や、同じ会社の中でも商品によって断熱の呼び方をわけている会社があります。
本記事で確かめた9社では、主に外張りと充填を組み合わせた商品が紹介されていて、柱の間に断熱材を入れない「外張りだけ」とはっきり書いた商品は見あたりませんでした。外張りだけを希望するときは、柱の間にも断熱材が入るかを実際のプランから壁の断面図で確かめてください。
同じ会社でも商品や仕様によって外張りの有無や断熱の組み合わせが違うことがあるため、候補は会社名だけで決めず、商品名と断熱仕様の名前、壁の断面図までそろえて選ぶことが大切です。
相談するときは、標準仕様とオプション仕様の違いも押さえ、見積もりにどの断熱が含まれているかを見ておくと候補どうしを同じ条件で比較できます。
1-3.気になる会社と商品で2社〜3社選ぶ
まずは、一覧の「会社の対応エリアの目安」も見ながら、気になる会社と商品名から2社〜3社、メモに書き留めておきましょう。一覧で紹介した商品が今でも販売しているかを担当者に確かめておくのも大切です。
カタログなどの資料をまとめて取り寄せる方法と相談するときの質問は、記事の後半の「候補の会社のカタログや間取りの提案をまとめて依頼する」と「候補の会社に聞く5つの質問」にまとめています。
質問を送る前に、それぞれの会社の公式ページに何が書かれていて、何が書かれていないかを知っておくと聞くことを絞れます。次章では、9社の断熱の仕様を同じ項目で1社ずつ見ていき、最後に、比較サイトなどで外張り断熱の会社として紹介されることがある1社を参考として載せています。
2.外張りを含む9社の商品・断熱仕様を比較
本章では9社の商品・断熱の組み合わせ・標準orオプション・公表している断熱等級とUA値・対応エリアを同じ項目の表で比較できるようにしています。断熱の仕様や断熱等級・UA値は、それぞれの会社の公式ページで確かめた内容です。
※UA値は、小さいほど熱が逃げにくいことを示す値です
対応エリアは、公式サイトとポータルサイトなどの掲載情報をもとにしています。並びは前述の一覧と同じ五十音順で、性能やおすすめの順位ではありません。断熱等級の「対応」「実現」は、標準仕様で選べることを意味するとは限りません。地域やプランによる条件は、各表の「等級の注記」の行で確かめてください。
どの会社でも、外張りを含む断熱をどの商品・仕様で選べるか、標準に含まれるかは、候補の商品ごとに担当者へ確かめてから比べることが大切です。
2-1.一条工務店の外内ダブル断熱構法
| 社名 | 株式会社一条工務店 |
|---|---|
| 所在(本社) | 本社:東京都江東区 浜松本社:静岡県浜松市中央区 |
| 設立 | 1978年9月 |
| URL | 公式サイト |
一条工務店は、構造材の外側と内側に断熱材を重ねる仕様を「外内ダブル断熱構法」と明記しています。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の商品・仕様 | グラン・スマート、アイ・スマート(公式が「対応商品」として挙げる2商品) |
| 断熱の組み合わせ | 構造材の外側と内側に、高性能ウレタンフォームを使う |
| 標準orオプション | 外内ダブル断熱構法が標準かは書かれていない。お知らせでは、2つの商品で断熱等級7を「標準仕様で提供します」と書いている |
| 公表している等級・UA値 | お知らせで、2商品の「等級7」を「標準仕様で提供します」と書いている。断熱のページでは、ZEH水準の「断熱等性能等級5」を「大幅にクリア」とも書いている。UA値の数値は書かれていない |
| 等級の注記 | お知らせでは、建てる場所やプラン、選ぶ仕様によっては対応できないことがあると注記している。「販売地域の全都道府県で対応が可能です」とし、対応できるのは地域区分の1地域〜7地域と注記している。同じページには「枠組壁工法商品に限る」という注記もあるが、どの文に付くかは書かれていない |
| 断熱材の厚み | 外側50mm・内側140mm(どちらも「最大厚さ」の表記) |
| 施工対応エリア | 公式サイトには書かれていない。LIFULL HOME’Sの会社ページの「建築対応エリア」では、沖縄・高知を除く45都道府県の全域。公式の展示場検索では高知県も選べるため、担当者に確かめる |
| 展示場・相談窓口 | 展示場を探すページで選べる都道府県に、沖縄県はない |
| そのほかの条件 | 公式ページに記載なし |
2-2.クラージュホーム(アエラホーム)の外張W断熱
| 社名 | クラージュホーム株式会社 |
|---|---|
| 所在(本社) | 山梨県中巨摩郡昭和町 |
| 設立 | 2026年7月 ※設立日は親会社のロゴスホールディングスの発表による |
| URL | 公式サイト |
クラージュホーム(アエラホーム)は、外側に張る断熱材と壁の中の断熱を組み合わせる仕様を「外張W断熱」と呼んでいます。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の商品・仕様 | クラージュ、プレスト、ERABERU、まちの建築家プロジェクト、THE CA.(商品紹介のページで、どれも「外張W断熱」と書いている) |
| 断熱の組み合わせ | 柱の外側に張る断熱材に、壁の中の断熱(クラージュは吹付け、プレストはグラスウールの充填)を組み合わせる。ほかの3商品の壁の中の断熱材は、商品紹介のページに書かれていない |
| 標準orオプション | 公式ページに記載なし |
| 公表している等級・UA値 | クラージュは「国が定める断熱最高等級7に対応可能」と書いている。UA値は、断熱のページで比べるグラフ(画像)として示している(数値は本文に書かれていない)。プレストは等級は書かれておらず、「全棟 UA値計算」で報告書を出すと書いている。ほかの3商品は、商品紹介のページに等級・UA値は書かれていない |
| 等級の注記 | クラージュの商品ページの、「国が定める断熱最高等級7に対応可能」と書いた箇所で、住宅性能評価(第三者の機関が家の性能を評価するしくみ)の最高等級について「プランによっては一部取得できない項目もあります」「性能表示の取得には別途申請費用がかかります」と注記している。UA値のグラフは、5地域〜7地域でのクラージュの試算値で、建物の形や窓などの面積で増減すると注記している |
| 断熱材の厚み | 外側と壁の中の断熱材の厚さは書かれていない(会社の断熱のページでは、床の断熱材を100mmと書いている) |
| 施工対応エリア | 公式サイトには書かれていない。参考として、LIFULL HOME’Sの会社ページ(掲載名はアエラホーム株式会社)の「建築対応エリア」では、岩手・宮城の全域と福島など14都県の一部の市区町村。今の会社の対応範囲かどうかは、担当者に確かめる |
| 展示場・相談窓口 | 展示場の一覧にあるのは10県 |
| そのほかの条件 | 公式ページに記載なし |
2-3.住友不動産ハウジング(住友不動産)の内外ダブル断熱
| 社名 | 住友不動産ハウジング株式会社 |
|---|---|
| 所在(本社) | 東京都新宿区 |
| 設立 | 2024年10月 |
| URL | 公式サイト |
住友不動産ハウジング(住友不動産)は、壁の中と外側に断熱材を入れる仕様を「内外ダブル断熱」と呼んでいます。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の商品・仕様 | 2024年1月30日の発表の『断熱最高等級7の家』(2×6工法(2インチ×6インチの断面の木材で壁の枠を組む工法)と「内外壁のダブル断熱」の組み合わせ)と同じ発表に載る2×4工法のダブル断熱 |
| 断熱の組み合わせ | 壁の中に高性能グラスウール、外側にフェノールフォームを使う |
| 標準orオプション | 発表では、会社の標準仕様の2×4工法・2×6工法とは別に、ダブル断熱を加えた仕様を載せている |
| 公表している等級・UA値 | 発表では、『断熱最高等級7の家』で「断熱等級7を実現」と書き、UA値は0.25(2×4工法にダブル断熱を加えると0.3)としている。工法ごとのページでは、標準仕様のUA値をウッドパネル工法は0.39(等級5に対応)、2×4工法は0.46、2×6工法は0.37と書いている。発表では、ZEHを会社の標準仕様にしているとも書いている |
| 等級の注記 | 等級7は「2×6工法」「内外壁のダブル断熱」「高断熱樹脂トリプルガラス」の組み合わせで実現すると書いてある。発表のUA値はプランやエリアで変わると注記し、0.25は、開口部の面積を抑えたモデルプラン(約49坪)で、トリプルガラス樹脂サッシと高断熱玄関ドアを採用した場合の値と注記している。工法ごとのページの値もモデルプランによる値と注記し、ウッドパネル工法の0.39は、トリプルガラス樹脂サッシと高断熱玄関ドアを採用した場合と注記している |
| 断熱材の厚み | 発表の図に「フェノールフォーム60mm」「フェノールフォーム80mm」「高性能グラスウール24K 140mm」と載っている(どの部位の値かは書かれていない) |
| 施工対応エリア | 公式サイトには書かれていない。SUUMOの会社ページの「施工エリア」では23都道府県(名前は前述の一覧表のとおり) |
| 展示場・相談窓口 | モデルハウスの一覧にあるモデルハウスは21都道府県 |
| そのほかの条件 | 公式ページに記載なし |
2-4.泉北ホームのダブル断熱
| 社名 | 泉北ホーム株式会社 |
|---|---|
| 所在(本社) | 大阪府堺市中区 |
| 創業 | 1976年12月 |
| URL | 公式サイト |
泉北ホームは、外張り断熱と壁の中の吹付けを組み合わせる仕様を「ダブル断熱」と呼んでいます。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の商品・仕様 | +℃ermo7G(プラスサーモセブンジー) |
| 断熱の組み合わせ | 家全体を外側から覆う外張り断熱と2×6工法の壁の中に吹き付ける断熱(充填断熱)を組み合わせる |
| 標準orオプション | プレミアムパッケージに追加できる仕様(公式はオプションと書いている。2023年11月の発表では、+℃ermo7Gを「プレミアムパッケージ対象のプラスシリーズ商品」と書いている) |
| 公表している等級・UA値 | プラスサーモセブンジーは「最高等級の断熱性能7に対応」と書いている(プレミアムパッケージは等級6で、オプションを付けると等級7)。UA値は本文に書かれていない |
| 等級の注記 | 2023年11月の発表では、建築地やプラン、採用する仕様などによっては対応できないことがあると注記している |
| 断熱材の厚み | 公式ページに記載なし |
| 施工対応エリア | 施工エリアのページで、大阪府の全域と兵庫県・京都府・奈良県・和歌山県・滋賀県の一部の市町村を挙げている(市町村の中の一部地域だけのところもあり、「詳しいエリアはお問い合わせください」と案内) |
| 展示場・相談窓口 | 住宅展示場のページで探せる |
| そのほかの条件 | 公式ページに記載なし |
2-5.大和ハウス工業の内外ダブル断熱(外張り断熱通気外壁)
| 社名 | 大和ハウス工業株式会社 |
|---|---|
| 所在(本社) | 大阪府大阪市北区 |
| 設立 | 1947年3月 |
| URL | 公式サイト |
大和ハウス工業は、xevoΣの外壁の断熱を「内外ダブル断熱(外張り断熱通気外壁)」、木造のxevo GranWoodとxevo BeWoodの断熱を「遮熱外張り断熱工法」「遮熱外張り断熱通気外壁」と呼んでいます。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の商品・仕様 | xevoΣ/xevo GranWood、xevo BeWood |
| 断熱の組み合わせ | xevoΣは、外壁パネルの外側を断熱材で覆い、パネルの中と内壁にも断熱材を重ね、柱の前面も断熱材で覆う。木造の2商品は、構造体を外側から断熱材で覆う「外張り断熱」に遮熱の技術を加えると書いている(柱の間の断熱材は商品ページに書かれていない。2025年7月2日の発表では、木造商品も「内外ダブル断熱」として総厚150mmと書いている) |
| 標準orオプション | 2025年7月2日の発表で、平屋建て・2階建ての戸建注文住宅全商品の断熱等級6の標準化に向け「従来オプションで採用していた「内外ダブル断熱(エクストラ断熱仕様)」を標準仕様としました」と書いている |
| 公表している等級・UA値 | 「xevoΣは断熱等級6を標準化」、木造の2商品は「ZEH水準を上回る断熱等性能等級6が標準仕様」と書いている。UA値は、発表の試算の条件に、断熱等級6の家で0.44と書いている |
| 等級の注記 | 間取りや仕様などによっては当てはまらないことがあると注記している。xevoΣのページと発表では「省エネ地域区分1地域〜4地域(寒冷地および沖縄県等)を除く」と注記している(注記の書き方のまま)。xevo BeWoodは5地域〜7地域に限ると注記している |
| 断熱材の厚み | 発表では、内外ダブル断熱の断熱材の厚みを「鉄骨商品では総厚184mm、木造商品では総厚150mm」(一部の木造商品は135mm)と書いている。xevoΣの技術のページでは、断熱材4層の合計184mmと書いている(外張り部分だけの厚さではない) |
| 施工対応エリア | 全国の住宅展示場のページで、「新築注文住宅建設エリア」として22都府県を挙げている(名前と除く地域は前述の一覧表のとおり。展開エリアの見直しは、表のあとの「会社の体制と契約先」のとおり) |
| 展示場・相談窓口 | 全国の住宅展示場のページで探せる |
| そのほかの条件 | xevoΣの技術のページでは「選べる3段階の断熱仕様をご用意」と書いている |
2-6.トヨタホームのニューハイブリッド断熱工法
| 社名 | トヨタホーム株式会社 |
|---|---|
| 所在(本社) | 愛知県名古屋市東区 |
| 設立 | 2003年4月 |
| URL | 公式サイト |
公式サイトは、エスパシオの断熱を「ニューハイブリッド断熱工法」と呼んでいます。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の商品・仕様 | エスパシオのシリーズ(断熱のページの対象) |
| 断熱の組み合わせ | 公式では「外張り断熱と充填断熱のメリットを両立させた」工法と書いている。外壁は構造体と外壁の間に硬質ウレタンフォームを張り、柱を外から包む。柱の間の断熱材は書かれていない |
| 標準orオプション | 公式ページに記載なし |
| 公表している等級・UA値 | エスパシオは、ZEH相当の「等級5」の基準をクリアしていると書いている。UA値の数値は書かれていない |
| 等級の注記 | プラン・仕様・地域によって違うことがあると注記している |
| 断熱材の厚み | 公式ページに記載なし |
| 施工対応エリア | トヨタホームグループのページで、販売会社ごとの販売地域として30都府県を挙げている(岩手県は一部地域。名前は前述の一覧表のとおり) |
| 展示場・相談窓口 | 住宅展示場・営業所の一覧にあるのは30都府県 |
| そのほかの条件 | より性能の高い断熱材を使ったハイグレード仕様もあると書いてある。2025年10月17日の発表では、今のエスパシオ(EST工法という構造)から「制震鉄骨軸組構造」への「フルモデルチェンジ」とする新商品「ESPACiO GT」(販売は東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県。島嶼部を除く)の断熱性能を「ZEH 水準を上回る等級6に対応」と書いている(断熱の工法や外張りは書かれていない) |
2-7.ミサワホームの外張断熱(外壁外張断熱パネル)
| 社名 | ミサワホーム株式会社 |
|---|---|
| 所在(本社) | 東京都新宿区 |
| 設立 | 2003年8月 |
| URL | 公式サイト |
ミサワホームは、木質パネルに外張断熱を加える断熱仕様を、「スマートテック断熱アドバンス」として2024年10月15日に発表しています。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の商品・仕様 | スマートテック断熱アドバンス(高断熱住宅・高気密住宅のページでは、木質系の住まいで地域や要望に応じて選べる3つの断熱仕様の1つ) |
| 断熱の組み合わせ | 充填断熱の木質パネル(木の枠に面材を張った、工場でつくる壁などのパネル)に、外壁外張断熱パネル(発表での略称は「外張断熱」)を加える |
| 標準orオプション | 技術のページでは、標準仕様を90㎜の木質パネル(断熱等級5に対応)と書いている |
| 公表している等級・UA値 | 発表では「断熱等性能等級7にも対応」、技術のページでは「最高レベルの断熱等級7に対応することができます」と書いてある。UA値は、技術のページに表(画像)で示している |
| 等級の注記 | 発表では、等級7は省令準耐火構造(住宅金融支援機構が定める、火が広がりにくいつくり)の家だけと注記している。技術のページのUA値は、モデルプラン(132.5㎡)による計算値と注記している |
| 断熱材の厚み | 「充填断熱仕様(パネル総厚120㎜)に外張断熱(60㎜フェノールフォーム)をプラス」と書いている |
| 施工対応エリア | 会社としての施工エリアは公式サイトに書かれていない。SUUMOの会社ページの「施工エリア」では「全国(沖縄・離島・山間部等一部地域を除く)」。スマートテック断熱アドバンスは、2024年10月15日の発表で「日本全国」(沖縄を除く)で展開すると書いている |
| 展示場・相談窓口 | 住宅展示場・支店・営業所を探すページで選べる都道府県に、福井・島根・沖縄はない |
| そのほかの条件 | 地域や要望に応じて3つの断熱仕様から選べると書いている。2024年10月15日の発表ページには、今の内容とは違うことがあると注記がある |
2-8.三井ホームの超高断熱内外ダブル断熱
| 社名 | 三井ホーム株式会社 |
|---|---|
| 所在(本社) | 東京都江東区 |
| 設立 | 1974年10月 |
| URL | 公式サイト |
三井ホームは、MOCX THERMOの断熱を「超高断熱内外ダブル断熱」と呼んでいます。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の商品・仕様 | MOCX THERMO |
| 断熱の組み合わせ | 標準仕様の内壁側の高性能グラスウールに、外壁側のフェノールフォームを加える |
| 標準orオプション | 公式は「標準仕様」の内壁側の高性能グラスウールに、外壁側のフェノールフォームを「加え」ると書いている(外壁側の断熱材が標準に含まれるかは書かれていない) |
| 公表している等級・UA値 | MOCX THERMOで「断熱等性能等級7」を実現と書いている。同じページで、会社として「標準仕様でZEHをクリアしています」とも書いている。UA値は書かれていません |
| 等級の注記 | 等級7の提供は5地域〜7地域だけで、1地域〜4地域は等級6までと注記している。省令準耐火構造と45分準耐火(火事のときに45分間、燃え広がりを抑えるつくり)の仕様での提供で、45分準耐火は外壁がアートウォール(公式ページに載る外壁の仕上げの名前)のときだけと注記している |
| 断熱材の厚み | 外壁側100mm(フェノールフォーム)、内壁側140mm(高性能グラスウール) |
| 施工対応エリア | 公式サイトには書かれていない。ANAの住まいの三井ホームのページでは、注文住宅の「対応エリア」を「全国(一部エリアを除く)」としている(除かれる地域は書かれていない) |
| 展示場・相談窓口 | モデルハウスを探すページで、モデルハウス・見学できる実例・ショールームが1件以上あるのは29都道府県 |
| そのほかの条件 | 公式ページに記載なし |
2-9.ヤマト住建の外張り断熱工法と内・外W断熱
| 社名 | ヤマト住建株式会社 |
|---|---|
| 所在(本社) | 兵庫県神戸市中央区 |
| 設立 | 1990年1月 |
| URL | 公式サイト |
ヤマト住建は、断熱の方針のページで「外張り断熱工法」を採用していると書いています。商品によって、外側と内側の断熱材の書き方が違います。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の商品・仕様 | エネージュG3+、LEGANTIA、LEGANTIA-S、エネージュW、エネージュN、エネージュN+、エネージュSGR、ZERO+、Meias(商品ページで外張りの断熱を書いている9商品) |
| 断熱の組み合わせ | エネージュG3+は「外張り断熱材」(高性能硬質ウレタンフォーム)と「充填断熱材」(押出法ポリスチレンフォーム)、LEGANTIA・LEGANTIA-Sは「外壁断熱材」(高性能硬質ウレタンフォーム)と「内壁断熱材」(押出法ポリスチレンフォーム)を書いている。エネージュWは「内・外W断熱」と呼び、「内側と外側からダブルで断熱」と書いている。エネージュWのページでは、充填断熱工法を「内断熱」、外張り断熱工法を「外断熱」と説明している。Meiasは「外張り断熱材」(高性能硬質ウレタンフォーム・硬質ウレタンフォーム)と書いている。エネージュN・エネージュN+・エネージュSGR・ZERO+・Meiasは、充填断熱と組み合わせるかが商品ページに書かれていない |
| 標準orオプション | 公式ページに記載なし |
| 公表している等級・UA値 | エネージュG3+は「断熱等級7に対応」、LEGANTIAは「断熱等級7(G3グレード)相当」、LEGANTIA-Sは「断熱等級7を実現」と書いている(G3は、民間の研究会HEAT20が示す断熱の水準の名前)。UA値は、エネージュG3+が性能のページで「UA値0.23」、LEGANTIAが2025年9月8日のお知らせページで「断熱等級7・Ua値0.25」と書いている。エネージュWは本文で「外皮平均熱貫流率(UA値)=0.42」(ページの題名は「UA値0.40」)と書き、等級は書かれていない。ZERO+はUA値0.56、MeiasはUA値0.55と書いている。エネージュN・エネージュN+・エネージュSGRは、等級・UA値とも書かれていない |
| 等級の注記 | エネージュG3+の等級7は、地域区分の6地域のみの提供と注記している |
| 断熱材の厚み | LEGANTIA・LEGANTIA-Sは外壁断熱材61㎜、内壁断熱材45㎜と書いてある。ほかの商品は書かれていない |
| 施工対応エリア | よくある質問で「近畿・関東・中部・中国・四国・九州の各地域に展開しています」と書いている。建てられるかは、市区町村や敷地の場所、商品などで違うことがあると注記している |
| 展示場・相談窓口 | 「よくある質問」のページでは、2026年10月時点で店舗・展示場のある都府県として22都府県をあげている |
| そのほかの条件 | Meiasは「気密検査対象外商品」と書いている。ほかの商品は書かれていない |
2-10.【参考】旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)は断熱材の位置を個別に確認
旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)は公式ページで断熱材の施工方法を確かめられなかったため、前述した9社とは分けて紹介します。比較サイトなどでは、外張り断熱の会社として紹介されていることが多いです。
テクノロジーのページで外壁・床・屋根の断熱を「ヘーベルシェルタードダブル断熱構法」と呼んでいます。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の商品・仕様 | ユニバーサルモダニズム(UNIVERSAL MODERNISM)の技術ページに載っている断熱仕様 |
| 断熱の組み合わせ | 外壁・床・屋根を、ALC(気泡を含んだ軽いコンクリートの板)の「ヘーベル」と高性能断熱材「ネオマフォーム」で包み込むと書いてある。断熱材が骨組みの外側や外壁側にあるかは書かれていない |
| 標準orオプション | 構法が標準かは書かれていない |
| 公表している等級・UA値 | 「ZEH基準の等級5を上回る断熱等級6を3階建ても含めて標準化」と書いている。UA値は書かれていない |
| 等級の注記 | 5地域〜7地域が対象で、プランによって等級が変わることがあると注記している |
| 断熱材の厚み | 公式ページに記載なし |
| 施工対応エリア | 海外に住む人向けのよくある質問で、施工エリアを「関東1都6県、山梨県、静岡県、東海、中京、京阪神、岡山県、広島県、福岡県、佐賀県を中心としたエリア」と書いている |
| 展示場・相談窓口 | 全国の住宅展示場・モデルハウス一覧で探せる |
| そのほかの条件 | 公式ページに記載なし |
それぞれの会社の紹介を読み終えたら、候補にしている会社の「担当者に聞きたいこと」をメモに書き出しておきましょう。後述する5つの質問とあわせて、担当者に相談できます。
3.外張り断熱だけに絞らず充填断熱の会社も候補にする

「外張りだから暖かい」と聞くとほかの方式の会社を外したくなるかもしれません。外張りは骨組みの外側に断熱材を張るやり方ですが、冬の暖かさは窓や屋根、床、すき間の少なさ(気密性)まで含めた家全体で性能が変わります。
外張り・充填・付加断熱の違いを押さえ、どんな暖かさで暮らしたいかに合わせて、相談する会社を残すのがおすすめです。本記事でいう「充填断熱の会社」は、候補にしている商品の断熱が充填断熱だけの会社のことで、同じ会社に外張りを含む仕様が別に用意されていることもあります。
3-1.外張り・充填・付加断熱の違いを候補選びに使う
断熱材を入れる位置の違いは、前述の「壁の断熱の組み合わせ」の表で確かめられます。
付加断熱のように断熱材を柱の間と柱の外側の2か所にわけると断熱材の厚みを合計して確保しやすくなります。しかし、性質の違う断熱材を重ねることもあるため、壁の中の湿気対策や費用など、聞くことも必要です。外壁と窓の支え方は、外張りだけの家にも付加断熱の家にも共通して聞くことが大切です。
充填断熱だけ・外張り断熱だけ・付加断熱のどの方式でも、暖かさは方式の名前では決まりません。契約前は、充填断熱だけの商品も含めて、候補先ごとに「計画している家のUA値」と「気密測定をいつ・誰がするか」を比べます。気密測定は、建てている家で専用の機械を使い、家全体のすき間の大きさを測ることです。
すき間の少なさは、契約した会社から、建築中に測った自分の家の結果を受け取って確かめることができます。
前述のそれぞれの会社紹介でも、外張りだけか組み合わせかが公式ページからは読み取れない商品があるため、最後は壁の断面図で確かめなくてはいけません。なお、「外断熱」はコンクリートの建物にも使う言葉なので、木造の外張りと同じ意味とは限らないのでご注意ください。
外張りは、柱の外側を覆うため、熱橋(ねっきょう)を減らしやすくなります。熱橋とは、柱や金物など、断熱材より熱を伝えやすく、熱の通り道になってしまう部分のことです。熱橋が多いとその部分から熱が逃げやすくなります。外側を覆っても、金物や窓まわりまで熱橋がゼロになるわけではありません。
担当者に「柱の外側や窓のまわりは、どの断熱材で覆っていますか」と聞くと回答をもらえます。ハウスメーカーや工務店の構造見学会に参加すると呼び方だけではわからないつくりを自分の目で確かめることができます。
3-2.同じUA値なら窓・気密測定・施工の条件も見る
UA値は、小さいほど熱が逃げにくくなります。C値は、小さいほどすき間が少ないことを示します。C値は、建てている家で専用の機械を使う気密測定で測ります。
執筆時点(2026年10月)の断熱等級では、5地域〜7地域のUA値の上限は、等級6が0.46W/(㎡・K)、等級7が0.26W/(㎡・K)です。基準は地域で変わり、地域区分の8地域にはUA値の基準がありません。
2025年4月1日以降に着工する原則すべての新築住宅は、省エネ基準(国が定める、住宅の断熱や設備の省エネ性能の基準)への適合が義務になりました。義務になった断熱の水準は、断熱等級4(5地域〜7地域ではUA値0.87W/(㎡・K)以下)にあたり、等級6・7が義務になったわけではありません。
出典:
一般社団法人 環境共生まちづくり協会「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」
国土交通省「省エネ基準引き上げへ。脱炭素化も。」「令和7年4月1日から省エネ基準適合の全面義務化や構造関係規定の見直しなどが施行されます」
省エネ基準の適合義務化について詳しく知りたい方は、省エネ基準適合義務化の解説も参考になります。
目標の断熱等級がまだ決まっていなければ、建てる地域で等級6・等級7にあたるUA値を担当者に教えてもらい、「計画している家はどちらに届きますか」と聞くのがおすすめです。
等級を1つ上げると建築費がいくら変わるかは、後述する5つの質問のうち、断熱の仕様だけを変えた差額と費用の内訳を一緒に聞くことができます。等級を上げるには窓も替える必要があると言われたら、窓を替えた分の金額もわけて出してもらいましょう。
候補のハウスメーカーを残すか迷ったら、今の状況に合わせて資料を依頼するのがおすすめです。
| 検討している状況 | 候補先の残し方 | 判断に使う資料 | 担当者への質問 |
|---|---|---|---|
| 外側にも断熱材がある仕様にしたい | 外張りを含む商品・仕様を中心に選び、比べるために充填断熱の商品も1つ残す | 壁の断面図と見積もりの仕様書 | 外側と内側の断熱材を、図面で見せてもらえますか |
| 充填でも希望の断熱等級に届くと言われた | 候補に残し、計画中の家の数字で確かめる | 計画中の家のUA値と気密測定の方法 | 検討中の間取りの計算結果とすき間の測り方を見せてもらえますか |
| 計算や気密測定の条件がわからない | 今は順位を付けず、資料を受け取ってから決める | 計算の条件、測る時期・担当・結果の記録 | 計算の条件や気密測定について、見せてもらえる資料はありますか |
充填断熱の会社でも、計画している間取りで計算したUA値などが希望する断熱等級の基準を満たし、気密測定をいつ・誰がするかを示せるなら、候補から外さずに残せます。
どの窓を選び、すき間をどのように測り、どんな施工方法で丁寧につくるかは、方式の名前だけではわかりません。同じUA値でも、窓の大きさと向き、夏の日差しへの備え、すき間を測って確かめるかどうかで、住み心地が大きく変わることがあります。
住宅性能評価を受けていないからといって、暖かく過ごせない家だと決めつけないことも大切です。
3-3.工務店には採用できる断熱仕様と施工実績を聞く
地元の工務店にも、外張りや付加断熱を手がけている会社があります。一覧表に載っていないからといって、相談先から外さなくてもかまいません。
工務店には「外張りや付加断熱は、どんな構造の家で選べますか。建てたい場所でも頼めますか」と聞くのがおすすめです。「御社では、外張りや付加断熱の家をどのくらい建てていますか」とも聞けますが、実績を聞いて、長い間手がけている・多く建てているというだけでは、家づくりの良し悪しは決められません。
気密測定は誰がいつするのかも聞きたいところです。家を設計する人、工事の様子を確かめる人、すき間を測る人は、ハウスメーカーや工務店の社員なのか、別の会社に頼むのかも尋ねられます。「工事や測定の記録は、誰から受け取れますか」まで聞けば、あとからわからないことがあったとき、誰に聞けばよいかもわかります。
夫婦で気になる会社が違うときは、冬に何度くらいの部屋で過ごしたいか、いくらまで払えるかを先に話しておくと候補を絞りやすくなります。
「計画している間取りで希望の断熱等級に届く」「気密測定の記録をもらえる」のように、候補に残す条件を家族で1つずつ言葉にしましょう。
4.外張り断熱の厚みは断熱材の種類と家全体の性能で判断する

カタログで「外側◯mm」「合計◯mm」のような数字を見ると大きな数字ほど暖かそうに感じるかもしれません。ただ、1枚の厚さか、何層かを足した厚さか、最大の厚さかで数字の意味は違います。
同じ厚みでも、断熱材が違えば熱の伝わりやすさは変わります。厚みの表示がどの厚さを指すかを確かめたうえで、計画している家全体のUA値で判断することが大切です。
4-1.最大厚さと断熱層の合計を同じ数字と捉えないのが大切
断熱材の厚みの数字を見るときは、どこに入れる断熱材なのか、どんなときの値なのかも知りたいところです。
前述のそれぞれの会社の紹介でも、「最大厚さ」の表記、何層かを足した合計の表記、外側と内側を分けた表記と断熱材の厚みはまちまちでした。
次の表は、厚みの表示がどの厚さを指すかを確かめるための一例です。
| 厚みの表示の種類 | わかること | 厚みの数字だけでは比べられないこと |
|---|---|---|
| 最大厚さ | その仕様で使う断熱材の厚さのうち、最も厚い場合の値(商品・部位などで薄くなることがある) | 今回の見積もりで、各部に使う厚さ |
| 何層かの合計 | 外側と内側などの断熱材を足した厚さ | 外張り部分だけの厚さや、どの仕様の値か |
| 外側と内側を分けた厚さ | 外側と内側それぞれの断熱材の種類と厚さ | 断熱材が違うほかの商品の厚みとの優劣 |
高性能ウレタンフォーム、高性能グラスウール、フェノールフォームなど、どの断熱材を使うかで熱の伝わりやすさは違います。
カタログにある厚さも、最も厚いときの値か、何枚かを足した値か、どこに使うかがまちまちです。mmの数字だけを並べても、暖かさは比べられません。
外側の断熱材の厚みだけで会社を比べず、断熱材の種類と入れる位置を確かめ、計画している家全体のUA値を同じ条件で比べることが大切です。
担当者には「外側と内側それぞれの断熱材の名前と厚さを、仕様書で見せてもらえますか。最大の厚さなのか、この見積もりで使う厚さなのかも教えていただけますか」と聞くのがおすすめです。カタログに載る数字と建てたい家で使う数字をわけて確かめてください。
4-2.厚さだけでなく断熱材の種類も確認する
断熱材の厚みを見るときは、次の2点を押さえましょう。
- 同じ断熱材なら、厚いほど熱を通しにくい
- 断熱材が違えば、同じ厚さでも熱の通しにくさは違う
数字を自分で計算しなくてもかまいません。担当者に、外側と内側それぞれの断熱材の名前と厚さを聞けば、2つの点を確かめられます。
熱抵抗の計算例
「同じ断熱材なら、厚くなるとどう変わるのか」は、熱抵抗という値で確かめられます。まず、熱伝導率(断熱材の熱の伝わりやすさ)は、小さいほど熱を伝えにくい値です。熱抵抗(決まった厚さの断熱材の熱の通しにくさ)は、大きいほど熱を通しにくい値になります。
計算のしかたは、熱抵抗=厚さ(m)÷熱伝導率です。同じ熱抵抗に届くのに必要な厚さは「熱抵抗×熱伝導率」になるので、熱伝導率が小さい断熱材ほど、同じ熱抵抗に届く厚さは薄くて済みます。
国土交通省の資料には、4地域〜7地域の戸建てで外張り断熱にした壁について、断熱材の熱抵抗の基準が2つ示されています。省エネ基準を満たす仕様基準は1.7、より高い性能を目指す誘導仕様基準は2.3です。
次の表は、資料が例に挙げている熱伝導率0.028W/(m・K)の断熱材(押出法ポリスチレンフォーム保温板3種)で、基準を満たす厚さに換算した例です。
| 断熱材の条件 | 熱抵抗(厚さ÷熱伝導率) | 熱抵抗の数字の位置づけ |
|---|---|---|
| 熱伝導率0.028W/(m・K)・48mm | 0.048÷0.028=約1.71㎡・K/W | 仕様基準1.7を満たす厚さの計算例 |
| 同じ断熱材・65mm | 0.065÷0.028=約2.32㎡・K/W | 誘導仕様基準2.3を満たす厚さの計算例 |
同じ断熱材なら、65mmのほうが48mmより熱を通しにくいとわかります。ただし、表は会社ごとの家の暖かさを比べたものではありません。外張り断熱ならどんな家でも48mm以上なければいけない、という意味でもありません。
断熱材が変われば、どれだけ厚くすればよいかも変わります。熱抵抗=厚さ÷熱伝導率なので、同じ48mmでも、熱伝導率が0.028W/(m・K)より大きい断熱材を使えば、熱抵抗は約1.71㎡・K/Wより小さくなります。
断熱材の熱抵抗だけでは、家全体のUA値は出せません。外側と内側の熱抵抗を足しても、柱などを通る熱までわからないため、壁全体の性能は決まりません。断熱材がどれだけ熱を通しにくいかと家がどれだけ暖かくなるかをわけて考えることが大切です。
4-3.窓や屋根を含む検討プランのUA値を確認する
建てたい家がどれだけ熱を逃がしにくいかは、ハウスメーカーや工務店の担当者に外皮計算書を見せてもらうとわかります。外皮計算書は、計画している家の窓・壁・屋根・床から逃げる熱の量(UA値)を計算した書類です。
モデルプランのUA値が、そのまま建てたい家の値になるわけではありません。窓の大きさや数、どんな窓を使うかで、熱の逃げ方も変わります。樹脂サッシだから等級が有利になるとは決めつけられません。夏の日差しをどう遮るかも、担当者に聞くことが大切です。
住宅性能評価書で等級を確かめる予定なら、計算書と照らし合わせるのがおすすめです。計算書がまだできていなければ「検討中のプランのUA値は、いつ書類で確認できますか」と聞けます。
書類を受け取るときは、どんな家として計算したかもメモに残すとあとから見直しやすくなります。
- 建てる地域と間取り、窓の種類と大きさ、屋根や床にどんな断熱材を使うかを、図面と照らし合わせる
- 計算した日と仕様書の改訂日、モデルプランの値か計画している家の値かを、書類といっしょに書き留める
カタログの数字が「最大の厚さ」「合計」「計画中の家の値」のどれに当たるか、印を付けましょう。
5.外張り断熱のデメリットを施工と点検への対応で見極める

外張り断熱のデメリットを調べると「外壁が下がる」「結露する」「シロアリが心配」「防火の地域では使えない」といった心配が挙げられることがあります。ただ、どの心配も、施工方法だけでは答えが決まりません。外張りや付加断熱では、外壁や窓の支え方、湿気の逃がし方、基礎のシロアリ対策、防火の基準への合わせ方を、計画ごとに考えなければならないからです。
外壁・湿気・基礎・防火の心配ごとは、計画によって当てはまるかどうかが変わります。次の早見表で計画している家に当てはまる項目を先に選んでおくと、このあと読む説明と設計担当者に聞くことを絞れます。
| 計画の条件 | 心配なこと | 見せてもらう資料 | 誰に聞くか |
|---|---|---|---|
| 外側に断熱材を張る | 外壁や窓の支え方 | 断面図・施工要領 | 設計担当者 |
| 湿気の多い地域に建てる、部屋干しが多い | 壁の中の結露 | 断面図・結露の検討の資料・工事中の写真 | 設計担当者・現場の担当者 |
| 基礎の外側に断熱材を張る | シロアリ | 基礎の断面図・シロアリ対策の範囲・保証の書類 | 担当者・シロアリ対策を行う業者 |
| 防火地域・準防火地域などに建てる | 外壁の防火の基準 | 採用する壁の仕様 | 設計担当者 |
まだわからない条件は、当てはまるものとして読んでおくと聞き漏れを防げます。
5-1.外壁と窓を支える方法の3つの質問
外側に断熱材を張ると外壁は断熱材のさらに外側に取り付けることになります。柱と外壁のあいだに断熱材がはさまるため、断熱材が厚いほど、外壁や窓をどう支えるかを考える必要が出てきます。
外張り断熱では、通気胴縁(外壁の裏に空気の通り道をつくり、外壁材を取り付けるための下地の木材)を、断熱材の上から長い専用のビスで留めるやり方があります。ビスの長さや間隔は、ハウスメーカーや工務店が断熱材の厚みや外壁の重さに合わせて決めるもので、家を建てる方が数字まで覚えなくてもかまいません。
外壁や窓が重さで垂れ下がらないようにするための注意点は、住宅金融支援機構がまとめる住宅工事仕様書の2025年版(2025年4月1日に発行)の改訂のポイントにも挙げられています。
付加断熱の注意点が増え、サッシまわりの参考図も加わりました。ただし、住宅工事仕様書は木造の軸組工法と2×4工法などの枠組壁工法に向けた資料のため、鉄骨の商品や、木質パネルなど独自の工法の商品は、それぞれの会社の工事の決まりに沿って確かめることになります。
出典:住宅金融支援機構「住宅工事仕様書について」「住宅工事仕様書2025年版 改訂のポイント」
外側に断熱材を張るなら、とくに厚くするときは、外壁と窓の支え方が断熱材の厚みに合っているかを、断面図で説明してもらいましょう。
担当者には、次の3つの質問をそのまま尋ねられます。あわせて施工要領(断熱材や外壁の留め方など、工事の決まりを書いた資料)も見せてもらうと答えを確かめやすくなります。
| 担当者への質問 | 見せてもらう資料 | 答えで確かめること |
|---|---|---|
| 検討している断熱の厚みで、外壁と窓は何で支えますか | 断面図・施工要領 | 担当者が断面図や施工要領を見せて、断熱材の厚みと外壁の重さに合わせた留め方を説明してくれるか |
| 外壁材や断熱の厚みを変えると留め方も変わりますか | 変更後の断面図 | 仕様を変えたときに、留め方を検討し直すか |
| サッシまわりの断面図と工事中の確認の記録を見せてもらえますか | サッシまわりの断面図・現場の写真や確認の記録 | 窓まわりの雨水と断熱の処理を、誰がいつ確かめるか |
打ち合わせの途中で外壁を重いタイプに変えるときは、支え方の見直しが必要になることがあります。外壁の種類を変えたら、留め方も一緒に確かめて直してもらうよう担当者に頼んでおくと安心です。
図面ができる前は、担当者から答えが返ってこないこともありますが、外壁の支え方に問題があると決めつけなくて大丈夫です。「設計が固まったら、断面図で説明していただけますか」と、答えをもらう時期を約束しておくのがおすすめです。
5-2.内部結露への対策は防湿層・通気層・施工記録で確かめる
内部結露は、壁の中で起こる結露です。外からは見えないため、住み始めてから気づくのは難しいものです。
防湿層は湿気を止めるのが目的で、通気層は湿気を逃がすのが役割です。断熱材の種類によって、湿気の通しやすさが異なります。
結露が起きるかどうかは、建てる地域の気候、断熱材の組み合わせ、防湿層と通気層の位置、部屋の湿度、工事中に材料がぬれていないかなどで変わります。外張りか付加断熱かという名前だけでは、結露のしやすさが決まるわけではありません。外と内で違う断熱材を重ねるなら、湿気を止める層と逃がす層をどこに置くかを、材料に合わせて考えることになります。
担当者に次の2つの質問にわけて聞くと答えてほしい意図が伝わります。
「この地域とこの断熱材の組み合わせで、壁の中の結露が起きないかを検討していますか。検討した資料はありますか」
「断熱材の継ぎ目や配管が壁を通るところのすき間は、工事中に誰が確かめますか。そのときの写真はいただけますか」
図面だけでは工事の出来がわからず、写真だけでは設計の考え方がわかりません。断面図で層の並びを、工事中の写真で継ぎ目のふさぎ方を見せてもらうと結露への備えを設計と現場の両方から確かめられます。
5-3.シロアリ対策で聞くことは基礎断熱の位置で変わる
「外張り断熱はシロアリが心配」という話で、とくに気をつけたいのは、基礎の外側に断熱材を張るときです。壁を外張りにしても基礎まで外側から断熱するとは限りません。床の下に断熱材を入れる家もあります。
基礎断熱を外側から行う計画なら、防蟻をどこまでするかを確かめたいところです。基礎の外側の断熱材は一部が土に接していることが多く、シロアリが断熱材の中やすき間を通ると外から跡が見えにくくなることがあります。
シロアリが入り込んだ跡を見つける点検のしかたや保証の条件もあわせて聞くと、引き渡し後の対応までわかります。シロアリの多さは地域で違うので、建てる地域でどんな対策をしているかも、あわせて尋ねられます。
シロアリへの備えは、壁の方式だけでは決まらず、基礎のどこに断熱材を入れるかで大きく変わります。担当者に「壁は外張りとのことですが、床と基礎の断熱はどのような方法ですか。基礎の外側に断熱材を張るときは、シロアリ対策と点検はどうなりますか」と尋ねると、壁と基礎の話をわけて答えてもらえます。基礎の外側に断熱材を張る計画なら、シロアリ対策の範囲と点検の方法を保証の条件とあわせて書面で受け取っておくのがおすすめです。
5-4.防火は壁全体が基準を満たす根拠を設計担当者に示してもらう
市街地を中心に防火地域・準防火地域といった、外壁に火への強さが求められる場所があります。郊外の住宅地でも指定されていることがあります。どこに建てるかで、外壁に求められる強さも変わります。
建てる土地が防火地域・準防火地域に入っているかは、ハウスメーカーや工務店の担当者に尋ねると教えてもらえます。ご自身でも、市区町村のサイトや窓口で都市計画の情報を調べることが可能です。不動産会社を通して土地を買うときは、重要事項説明書にも書かれています。区域の境目に近い土地は、市区町村の窓口で確かめると安心です。
外壁の防火の性能を満たすには、法令で決まった仕様に合わせるやり方と大臣認定を受けた仕様を使うやり方があります。防火構造が求められるときは、断熱材だけでなく、外壁材や下地を含めた壁のつくりとして基準を満たしているかを設計担当者に確かめてください。
出典:国土交通省「建築基準法に基づく構造方法等の認定」
外張り断熱だからといって防火の地域で建てられないと決まるわけではありません。反対に、断熱材の燃えにくさだけを聞いて、壁全体が基準を満たしていると考えるのも早計です。
防火地域・準防火地域などに建てるなら、断熱材の説明だけで決めずに、採用する壁全体が基準を満たしている根拠を設計担当者に確かめることが大切です。
設計担当者には「建てる場所で必要な防火の性能と採用する壁が基準を満たしている根拠を教えていただけますか。法令の仕様に合わせているのか、認定の番号があるのかも知りたいです」と聞くのがおすすめです。
説明を受けたら、次の2つの記録を打ち合わせのメモに残すとあとから確かめ直しやすくなります。
- 設計担当者から話を聞いた日と見せてもらった資料(断面図や施工要領など)
- 現場で確かめる担当者の名前と写真やチェック表などの記録をどう受け取るか
子どもを連れて打ち合わせに行く日は、質問を先にメールで送っておき、当日は図面を見ながら説明してもらう時間を取ると聞きもらしを減らせます。質問の送り方やメモの残し方は、打ち合わせの準備と記録も参考になります。
外壁・湿気・基礎・防火のうち、計画している家に当てはまる質問を選んで担当者へ送りましょう。
6.外張り断熱の追加費用と将来の補修範囲を予算に組み込む

外張り断熱を取り入れると建築費がどれくらい増えるのか気になるところです。ただ、追加費用は、標準の断熱仕様とどこまで工事を変えるかで決まります。全国平均の金額を把握するよりも、計画している家の差額を出してもらう頼み方を知るほうが、決めるときの判断材料になります。
新しく建てるときの差額と外壁を張り替えるときに点検して直す範囲は、わけて考えると予算に入れやすくなります。
6-1.標準仕様から何を変える費用なのかを明細で確かめる
外張り断熱だけを抜き出した金額をまとめた公的な統計は見当たりません。どこまでを断熱の工事に含めるかも住宅会社ごとに違うため、全国平均の相場はお伝えできません。代わりに、標準仕様から何を変えるとどの費目の金額が動くのかを、見積書の明細で確かめるのがおすすめです。
次の表は、外張り断熱を含む仕様にしたときに金額が動きやすい費目と比べる前にそろえておく条件の一例です。
| 費目項目 | そろえておく条件 | 変わる内容 | 確認・再依頼すること |
|---|---|---|---|
| 断熱材と断熱の工事 | 延べ床面積・間取り・建てる地域・税込か税別か | 外側に足す断熱材の種類と厚み、張る手間 | 「断熱工事一式」のままなら、外側と内側に分けた内訳を頼み直す |
| 外壁を支える下地と外壁材 | 外壁材の種類・外壁の面積 | 断熱材の上から外壁を留める下地や、固定用の長いビス | 外壁の費用にまとめて入っていないかを確かめる |
| 窓(サッシとガラス) | 窓の数と大きさ・サッシとガラスの種類 | 断熱の仕様に合わせて窓も変えた分 | 窓を変えない場合の金額と分けて出してもらう |
| 冷暖房の設備 | 設備の種類と台数 | 家の性能に合わせて設備を変えた分 | 設備の種類・台数・金額が変わるかを確かめる。未定なら、設計が固まった段階で確かめ直す |
担当者には、次の2つの頼み方がそのまま使えます。
「同じ間取り・窓・設備のまま、断熱の仕様だけを変えた場合の差額と内訳を出していただけますか」
「選べる断熱仕様の費用は、今の見積もりに含まれていますか。含まれていないときは、いくら上がるかを別に示してもらえますか」
差額は設計が固まるまで概算のことが多いため、どの時点の図面で出した金額かを書き添えておくと打ち合わせのたびに比べやすくなります。
商品によっては、外張りを含む仕様がはじめから組み込まれていて、外せないこともあります。差額が出ないのは商品のつくりによることがあります。担当者が資料を出してくれないからとは限りません。外張りを外せない商品では、無理に差額を出してもらわず「ほかの候補とは比べる条件が違う」とメモに残せば十分です。
ほかのハウスメーカーや工務店とも相見積もりをとるなら、見積もりを依頼するポイントを見ておくと条件のそろえ方がわかります。差額は、何を変えた金額なのかが明細でわかって、はじめて比べられる数字になります。
会社どうしの総額の差には、断熱だけでなく窓・設備・外壁や、はじめから付いてくるものの違いも含まれます。同じ会社のなかで断熱の仕様だけを変えたときの差額とは、意味が違います。
会社どうしの総額の差を外張り断熱の追加費用として比べる前に、その差に断熱・外壁・窓・設備のどれの違いが含まれているかを見積もりの内訳で確かめることが大切です。
6-2.性能を上げる予算を窓や設備も含めて配分する
光熱費がどれだけ下がるかは、断熱の仕様だけでは決まりません。建てる地域の気候・窓・冷暖房の設備・家族が家にいる時間・電気代の単価で変わります。担当者から光熱費の見込みを出してもらうときは、「どんな条件で計算した数字ですか」と聞いておきたいところです。何年で元が取れるかは条件しだいで大きく変わってしまい、ひとつの数字だけでは決められません。
外張りを含む仕様をいちばんに考えたいときも、窓の性能や間取りの希望、使える予算と並べてどこにお金をかけるかを決めることになります。断熱にかける予算を増やせば、ほかの希望に回せるお金は減ります。断熱・窓・間取りのどれを先にかなえたいかを家族で決めてから配分すると予算の振り分けで迷いにくくなります。
6-3.外壁を張り替えるときの点検・補修・保証を見込む
引き渡し後に外壁や断熱のことで相談する先は、保証書や契約書に書かれた窓口です。どこが窓口になるかは、引き渡しのときに渡される書類で確かめておきましょう。
外壁は年月がたつと塗り替えや張り替えの時期が来ます。外張り断熱や付加断熱の家では、外壁を外したときに断熱材や防水のシート、通気層をどこまで見て直すのかを、建てる前に聞いておくと安心です。
次の表は、点検の時期ごとに確かめる範囲と担当者に説明してほしいことの例です。
| 時期 | 確かめる範囲 | 説明してほしいこと |
|---|---|---|
| 決まった時期の点検 | 外壁のひび割れや継ぎ目、窓まわり、通気層の空気の出入り口 | 点検で見る場所と保証で直せる範囲・保証の条件 |
| 外壁を張り替えるとき | 外壁を外した後の断熱材・防水のシート・通気層 | どこまで点検し直すか、補修の費用がかかる範囲と保証の扱い |
外張りかどうかで外壁の持ちや直す費用がどれだけ違うかは、同じ条件で比べた公的なデータでは比べられません。気になる方は、計画している家の外壁材と断熱の仕様で、いつ点検してどこまで直すのかを担当者に説明してもらうのがおすすめです。
引き渡しの書類とあわせて、次の2つの内容をメモに残すと将来の相談がスムーズに進みます。
- 点検と補修の窓口とシロアリ対策や設備など、ほかの業者が受け持つ範囲
- 将来、外壁を替えたり設備を足したりするときに、断熱の仕様で気をつけること
夫婦で、家計のなかで払える差額を先に話しておくと打ち合わせの場で決めやすくなります。
断熱・外壁・窓・設備を変えたときの金額と点検の範囲を、候補を横に並べたメモに書き足しましょう。
7.候補の会社のカタログや間取りの提案をまとめて依頼する

ハウスメーカーや工務店のカタログなどの資料を1社ずつ公式サイトから申し込む方法のほかに、一括資料請求サイトを使って効率的に集める方法があります。この章で取り上げる3つのサイトのうち、「SUUMO」と「LIFULL HOME’S」ではカタログ。「タウンライフ家づくり」では間取りや資金計画の提案を申し込めます。
カタログで商品を見比べたいのか、間取りや資金計画の提案を受け取りたいのかで、使うサイトを選ぶのがおすすめです。
建てたい地域を選んでから会社を探せるサイトもあるため、9社のなかに建てたい地域で建てられる会社が少ないときは、ほかのハウスメーカー・工務店を探す手がかりにもなります。
7-1.一括資料請求サイトを使う前に知っておきたい3つのこと
この章で取り上げるSUUMO・タウンライフ家づくり・LIFULL HOME’Sの3つのサイトは、どれも無料で申し込めます。そのうえで、次の3つの点を知っておくと申し込む前から資料が届いたあとまで迷わずに進められます。
| サイトに載っていない会社には申し込めない | 候補の会社がサイトに載っているかを会社名で確かめ、載っていない会社には公式サイトから直接申し込む |
|---|---|
| 申し込んだあとに、会社から電話やメールが来ることがある | 連絡のしかたに希望があれば、備考欄などに「メールでの連絡を希望します」のように書いておく |
| 届く資料に断熱の仕様がくわしく書かれているとは限らない | 外張りがあるかや断熱材の厚さが載っていない資料もある |
カタログの種類や、申し込むときの注意点は、注文住宅のカタログを集める方法も参考になります。
届く資料に断熱の仕様がくわしく書かれているとは限らないため、外張りがあるか、断熱材の厚さ、標準か追加かは、資料だけで判断せず担当者に確かめることが大切です。
7-2.SUUMO・タウンライフ家づくり・LIFULL HOME’Sで申し込めるもの
複数の会社にまとめて申し込める3つのサイトを、サイト名の読み方の五十音順に、同じ項目で並べています。下表を参考に見比べてください。
| サイト名(運営会社) | URL | 申し込めるもの | 申し込み方 |
|---|---|---|---|
| SUUMO(株式会社リクルート) | 公式サイト | ハウスメーカー・工務店のカタログ(無料) | 建てたい都道府県や、「高気密・高断熱」などの性能の条件で絞り込み、一覧で気になる会社にチェックを入れてまとめて申し込む |
| タウンライフ家づくり(タウンライフ株式会社) | 公式サイト | 間取りプラン・資金計画・土地探しの提案をまとめた「家づくり計画書」(無料。提案の中身とやり方は会社ごとに違う) | 希望の条件を入力し、提案を頼む会社を自分で選ぶ |
| LIFULL HOME’S(株式会社LIFULL) | 公式サイト | ハウスメーカー・工務店のカタログ(無料) | 建てたい都道府県や、「高気密・高断熱住宅」などのテーマで絞り込み、一覧からほしいカタログを選んで申し込む |
※執筆時点(2026年10月)に各サイトで確かめた内容です。載っている会社や申し込み方は変わることがあります。
資料が届いたら、気になる商品の名前と断熱仕様の名前を書き留め、次の章の「候補の会社に聞く5つの質問」で仕様を確かめてください。資料が届く前に質問を送ってもかまいません。
8.候補の会社に聞く5つの質問

一覧とそれぞれの会社の紹介で候補を2社〜3社に絞ったら、どの候補先にも同じ5つの質問を先に送り、はじめの相談で答えを聞くのが大切です。
カタログなどの資料が手元にあれば、気になる商品を示しながら質問できます。答えと資料を並べると候補どうしを同じ条件で比較できます。
8-1.はじめの相談するときに送る5つの質問
はじめて家づくりの相談をするときの質問例として、次の5つを参考にしてください。
- この商品の断熱仕様は、標準ですか、追加仕様ですか。最新の仕様書を見せてください
- 外側と内側の断熱材の名前と厚さを、壁の断面図で見せてください
- 検討中のプランのUA値は、いつ書類で確認できますか
- 気密測定は全棟で実施しますか。測定時期・担当者・結果の受け取り方も教えてください
- 同じ間取り・窓・設備のまま、断熱の仕様だけを変えた場合の差額と内訳を出していただけますか
外皮計算書で「家の窓」「壁」「屋根」「床」から逃げる熱を計算してUA値を示す書類を確認できます。質問の回答や資料に書かれた数字は、次の2つと照らし合わせると意味がわかります。
- UA値:前述の等級ごとのUA値の上限(5地域〜7地域の値。1地域〜4地域の上限は担当者に確かめる。8地域にはUA値の基準がない)
- 断熱材の厚さ:前述の厚みの表示の種類の表(最大厚さ・何層かの合計・外側と内側を分けた厚さ)
それぞれの会社の紹介の「担当者に聞きたいこと」も、この5つの質問に書き足して送れます。
5つの質問は、どの候補にも同じ言葉で送り、返ってきた資料の中身と日付をそろえて比べることが大切です。
8-2.答えを比べるときに見る点と残しておくこと
はじめの相談で比べるのは、次の3つです。
- 担当者が、断面図や仕様書などの資料を見せながら説明してくれるか
- 担当者がその場で答えられないとき、誰がいつ答えるかを約束してくれるか
- ほかの候補と並べたとき、担当者から資料が出てくるかどうかに差があるか
資料がその場で出てこないことだけで、その会社に問題があると決めなくてもかまいません。答えをもらう時期を約束してもらえれば、判断する材料になります。
答えを受け取ったら、次の2つの情報を手元のメモに残しておくとどの時点の資料どうしを比べているかがわかります。
- 仕様書の表紙や最後のページにある日付を商品の名前・断熱仕様の名前といっしょに書き留める
- 見積もりに使った仕様の日付を残し、あとから聞いた話と違ったときに照らし合わせる
商品の名前・断熱仕様・日付がそろっていれば、契約の後に話が食い違ったときも、どの資料をもとに決めたかを担当者に示せます。
契約の前には、外壁と窓の支え方、壁の中の結露への備え、基礎の断熱とシロアリ対策、防火の基準を満たす根拠、外壁を張り替えるときの点検の範囲も聞いておくと安心です。
返ってきた答えは、5つの質問を縦に候補の会社と商品を横に並べた1枚のメモに書き写しましょう。
まとめ
公式サイトで確かめられた9社では、外張り断熱の多くが充填断熱と組み合わせて紹介されていましたが、同じ会社でも商品や仕様によって外張りの有無が違う例がありました。会社の名前だけで決めず、商品と断熱仕様の名前、計画中の家の性能、工事の方法、費用の4つを見て選ぶことが大切です。
外側にも断熱材があるつくりにこだわりたい方は、一覧表から会社と商品の組み合わせを2組〜3組選び、比較用に充填断熱の商品もひとつ残して相談するのがおすすめです。外張りだけを希望する方は、商品ごとに壁の断面図で確かめると確実です。充填断熱の商品とは、計画中の家のUA値とすき間の測り方で比べられます。「外張りだから暖かい」という説明だけで、候補を決めなくて大丈夫です。
外張りを含む商品を選んでも、充填断熱の会社を選んでも、資料と数字をもとに納得して決めたなら、どちらも理由を説明できる選び方です。まずは一覧から候補の会社と商品名を2組〜3組書き出し、カタログなどの資料も取り寄せながら、どの候補にも同じ5つの質問を送ってみてください。
断熱のほかの条件も含めて会社を比べたい方は、ハウスメーカーを決めるポイントも参考にしてください。本記事の会社の仕様は、2026年10月時点で各社の公式サイトに載っていた内容です(発表資料は発表時点の内容)。厚さの計算例などの数値は目安のため、最後に決めるときは各社の最新の仕様書・図面・見積もりで確かめてください。
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