注文住宅のコンセント計画|失敗しない数・位置・高さのチェックリスト30選

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注文住宅のコンセント計画|失敗しない数・位置・高さのチェックリスト30選注文住宅のコンセント計画|失敗しない数・位置・高さのチェックリスト30選

「コンセントの場所、これで本当に合っているのかな…」と、設計打ち合わせのたびに不安を感じていませんか。

注文住宅を建てる際、間取りや外観デザインに比べてコンセントの計画は後回しになりがちです。実際に新居での暮らしについて話を聞くと、コンセントの数・位置・高さで後悔したという声も少なくありません。

タコ足配線だらけのリビング、家具の裏に隠れたコンセント、充電したいのに手の届かない場所にしかない寝室、といった失敗が繰り返されています。こうした失敗は、設計打ち合わせの際にほんの少し意識を向けるだけで防ぐことができます。

そこで今回は、注文住宅のコンセント計画について、部屋別に必要なコンセントの数や位置について徹底的に解説します。さらに、失敗事例10選や設計打ち合わせでそのまま使えるチェックリスト30項目など、本記事で必要な情報を網羅しました。

この記事を読むことで、設計担当との打ち合わせに自信を持って臨めるようになります。「入居後に後悔するコンセント計画」を根本から防ぐことができるでしょう。

10年後・20年後の暮らしを見据えたコンセント計画を、今日の打ち合わせから実践してください。

この記事で学べるコト

  • 注文住宅で必要なコンセントの総数がわかる
  • コンセントで「失敗した…」と、後悔した事例がわかる
  • 用途別のコンセント高さ基準がわかる
  • 設計士への具体的な指示の出し方がわかる

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目次

1.注文住宅のコンセント計画は「設計段階」が唯一のチャンス

注文住宅のコンセント計画は「設計段階」が唯一のチャンス

注文住宅におけるコンセントの計画は、着工前の設計段階でしか自由に変更できません。上棟後や入居後に修正しようとすると、壁を開口して配線をやり直す工事が必要になるため、費用が大幅に増加します。

コンセントの変更・追加にかかる費用は工事のタイミングによって大きく異なります。着工前(設計段階)であれば1,000〜5,000円程度で済みますが、上棟後(内装工事前)になると5,000〜20,000円程度、入居後(壁の開口が必要)になると20,000〜80,000円以上かかるケースが一般的です。

「後で直せばいい」という考えよりも、「打ち合わせでしっかり決める」という意識が大切です。 設計打ち合わせのときにコンセントの位置・数・高さを具体的にイメージして決定することが、後悔しない家づくりの最初の一歩です。

2.入居後に気づいた「コンセント」の失敗事例10選

入居後に気づいた「コンセント」の失敗事例10選

コンセントの失敗は、住んでみて初めて気づくケースがほとんどです。本章では、実際に経験した失敗談を5つのカテゴリ・10の事例に分けて紹介します。賃貸住まいの経験をそのまま「逆算のヒント」として活かせる視点も一緒にお伝えします。

コンセントの失敗には、大きく分けて「数が足りない」「位置が悪い」「高さが合わない」「種類を間違えた」「屋外を忘れた」という5つのパターンがあります。これらの失敗は、現在の賃貸住宅で「あそこのコンセント、もっとここにあればよかった」と感じた経験を整理するだけで、コンセントの失敗を防ぐことができます。

2-1.【事例2つ】コンセントの「数が足りない」

事例①:リビングのテレビ周りに溢れるタコ足配線

テレビ・レコーダー・ゲーム機・サウンドバー・スマートスピーカーと、テレビ周りだけで5〜7口のコンセントが必要になる家庭は珍しくありません。

「壁のコンセントは2口あるから十分」と思っていると、すぐに延長コードが何本も絡まる状態になってしまいます。

事例②:書斎のデスク周りの口数が圧倒的に不足

在宅勤務が増えた今、デスク周りにパソコン・モニター・プリンター・スマホ充電・デスクライトが集中します。設計時に「書斎は2口あれば十分」と判断した方が、リモートワーク開始後に慌ててタコ足配線を増設するケースも少なくありません。

2-2.【事例2つ】コンセントの「位置が悪い」

事例③:家具を置いたらコンセントが完全に隠れた

ソファやタンスを壁に寄せた後、家具の裏にコンセントがあって使えないことが判明するケースです。設計時に家具の配置まで考慮しないと、せっかくのコンセントが「存在しないも同然」になってしまいます。

賃貸のときに家具の配置を固定してから不便に感じた場所を思い出すと、失敗を防ぎやすくなります。

事例④:アイランドキッチンの手元に何もない

対面キッチンやアイランドキッチンでは、調理家電を作業台の上で使う機会が増えます。壁側にしかコンセントを設置していないと、フードプロセッサーや電気ケトルを使うたびに延長コードを引っ張る必要があります。

2-3.【事例2つ】コンセントの「高さが合わない」

事例⑤:掃除機用のコンセントが使いにくい位置にある

コードレス掃除機の充電ステーションを壁に設置する場合、通常の高さである床から15〜25cm程度のコンセントでは充電コードが扱いにくいことがあります。

すでに新居で使う掃除機の希望があれば、用途に合わせた高さを事前に指定することが重要です。

事例⑥:洗濯機置き場のアースが取れない

洗濯機にはアース接続が推奨されており、安全上の観点から重要です。コンセントがアースなしの通常タイプだった場合、後からアースを追加する工事が必要になります。

2-4.【事例2つ】コンセントの「種類を間違えた」

事例⑦:200V対応が必要な場所に100Vしかない

IHクッキングヒーターや電気自動車(EV)充電器、大型エアコンなどは200Vの電源が必要です。設計のときに見落としてしまい100V仕様で仕上げてしまうと、後からパネル工事も含めた大がかりなリフォームが必要です。

事例⑧:USB口のないコンセントを多用してしまった

スマートフォンやタブレットの充電が日常化した現代では、USB-A・USB-C付きのコンセントが非常に便利です。

普通のコンセントだけを設置してしまい、後悔する方も少なくありません。

2-5.【事例2つ】コンセントを「屋外に設置し忘れた」

事例⑨:庭でバーベキューや電動工具が使えない

屋外のコンセントは「あって当たり前」ではなく、意識して計画しないと設置されないことがほとんどです。

庭でバーベキューグリル・高圧洗浄機・電動草刈り機を使いたい場合、屋外防水コンセントが必要になります。

事例⑩:駐車場のEV充電に対応していなかった

電気自動車への乗り換えを考えたとき、駐車場に200V防水コンセントがないために設置工事を後から依頼する方が増えています。

先行配管だけでも設計時に行っておくと、後から費用を大幅に抑えられます。

コンセントの失敗は「賃貸の不便を書き出す」ことで大半は防げます。 今の家で「ここにコンセントがあれば」と思う場所をリストアップしてから設計担当者に伝えることを、コンセント計画では強くおすすめします。

3.コンセントは何個必要?|部屋別のコンセントの数と位置の目安

コンセントは何個必要?|部屋別のコンセントの数と位置の目安

この章では「コンセントの口数(プラグを差し込む穴の数)」と「コンセントプレートをする場所の数」をわけて解説します。

一般的な30〜40坪の一戸建ての場合、全体で50〜70口程度が目安とされますが、家族構成や家電の使用状況によって適切な数は大きく変わります。

部屋ごとに使う家電・使い方を具体的にイメージしながら、必要な口数と設置か所の数を決めていくことが重要です。

3-1.リビング・ダイニング

リビングやダイニングは、家族が最も長い時間を過ごす空間です。家族が長い時間滞在する場所は使用する家電の種類も多いため、家全体の中で最も多くのコンセントが必要になります。

場所 推奨する口数 備考
テレビ周り 6〜8口 テレビ・レコーダー・ゲーム機・サウンドバーなど
ソファ周辺 4〜6口 スマホ充電・照明・スマートスピーカーなど
ダイニングテーブル付近 4口以上 ホットプレート・電気鍋・PCなど
エアコン用 専用1口 高さ:壁上部(床から180〜200cm)
合計目安 16〜24口 家族構成によって口数は調整してください

リビングのコンセントは、壁の4面すべてに均等配置することを基本として、家具を置く壁面には高さや位置に気を付けるのが大切です。

3-2.キッチン

キッチンは常に使用する家電と一時的に使用する調理家電が混在するため、計画的な配置が重要です。

場所 推奨する口数 備考
冷蔵庫専用 1口 アース付き推奨
電子レンジ・オーブン専用 1〜2口 アース付き推奨
炊飯器・電気ポット 2口 カウンター上部に配置
調理家電用(フードプロセッサーなど) 2〜4口 作業台上に設置
食洗機専用 1口 アース付き推奨
合計目安 8〜12口 大型家電は専用回路が望ましい

キッチンのコンセントは、作業台の高さ(床から85〜90cm)に合わせた位置に設置すると使いやすいのでおすすめです。

3-3.洗面・浴室・トイレ

水回りは安全性にとくに注意が必要なエリアです。ドライヤー・電動歯ブラシ・シェーバー・ヘアアイロンなど、使用する家電が集中する場所でもあります。

朝の忙しい時間に用途にあわせて電源プラグを抜き差しするのは、ちょっとしたストレスです。水回りもしっかりとコンセント計画をたてましょう。

場所 推奨する口数 備考
洗面台周辺 4口以上 ドライヤー・電動歯ブラシ・シェーバーなど
洗濯機専用 1口 アース付きコンセント必須
トイレ(温水洗浄便座) 1口 アース付き推奨

洗濯機にはアース付きコンセントが必要です。アース接続は電気設備に関する技術基準を定める省令の第10条および第11条で基本的な接地に対する考えと、内線規程(JEAC 8001-2022)にもとづく安全対策を求められています。

参考:e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令
※内線規程は日本電気協会による民間自主規格です。

3-4.寝室・子ども部屋

寝室は就寝前後のスマホ充電・照明・空調機器の使用が中心です。しかし、近年は寝室に隣接したリモートワークのスペースにもコンセントが必要になるケースが増えています。

場所 推奨する口数 備考
ベッドサイド 2〜4口(両サイド) スマホ充電・照明・電気毛布など
デスク周辺 4〜6口 パソコン・照明・スマホ充電など
エアコン用 専用1口 高さ:床から180〜200cm
テレビ用 2〜4口 テレビ・レコーダーなど
合計目安 10〜14口 ベッド両サイドに均等配置

子ども部屋は成長に合わせてコンセントの使い方が変化します。将来の学習机の位置を想定した壁面に、多めのコンセントを設置しておくのがおすすめです。

3-5.玄関・廊下・その他

玄関や廊下は見落とされがちですが、電動自転車の充電や掃除機の充電ステーション・センサーライトの電源として必要な場面は多いです。

場所 推奨する口数 備考
玄関 2口 電動自転車充電・掃除機充電など
廊下(各所) 各2口 掃除機・ナイトライトなど
階段の 上下 各1〜2口 足元のセンサーライトなど

3-6.屋外

屋外のコンセントは、後から設置しようとすると外壁工事が必要になるため、設計段階で計画するのが重要です。

場所 推奨する口数 備考
玄関・アプローチ 2口 高圧洗浄機・クリスマスイルミネーションなど
庭・テラス 2〜4口 バーベキュー・電動工具等
駐車場 1口(200V推奨) EV充電対応

屋外に設置するコンセントは、電気設備に関する技術基準を定める省令および内線規程(JEAC 8001-2022)により、原則として防水タイプが求められます。屋外に防水タイプ以外のコンセントを設置することは、安全上の観点から推奨されていません。

「とりあえず多めに」という計画が、後悔のないコンセント計画の基本方針です。 使わないコンセントが余っても問題はありませんが、足りないと高額な追加工事が必要になります。

4.コンセントの高さ・位置決めの基準|設計士へ依頼する方法

コンセントの高さ・位置決めの基準|設計士へ依頼する方法

コンセントの高さは「床からの距離(cm)」で設計士に伝えるのが最も確実な方法です。使用する家電・用途によって最適な高さが異なるため、場所ごとに高さを指定するようにしましょう。

用途ごとに「どこに・どの高さで・何口必要か」を具体的に指示することで、設計士との認識のズレを防ぐことができます。

4-1.用途別コンセント高さの一覧

コンセントの推奨する高さは、用途別にまとめると下表のとおりです。

実際に使いやすい高さか、今の住まいやモデルハウスを見学するとき、計測しながらイメージすると良いでしょう。

用途・場所 推奨する床からの高さ ポイント
標準コンセント(一般用途) 15〜25cm程度 業界で広く使われる一般的な高さ
キッチン作業台上(調理家電) 85〜100cm 作業台と同じ高さで使いやすい
洗面台上(ドライヤー・シェーバー) 80〜110cm 鏡の横や引き出し上部が理想
テレビボード周辺 20〜40cm テレビボードの高さに合わせる
デスク上(パソコン作業) 70〜85cm デスクと同じ高さが使いやすい
ベッドサイド 60〜80cm 手を伸ばしたときに届く高さ
エアコン・換気扇用 180〜200cm 天井近くの壁上部に設置
屋外防水(高圧洗浄機等) 30〜40cm 地面から離して防水ボックス付きで設置
電動車いす・電動工具用 40〜100cm 用途に応じて調整

4-2.設計士に依頼するときの伝え方

設計士に「コンセントをここに付けてください」と伝えるだけでは、具体的な高さや口数が曖昧なまま図面に反映されることがあります。

以下のように伝えると、認識のズレが生じにくくなります。

  • 「テレビ横に6口コンセントを、床から20cmの高さでお願いします」
  • 「洗濯機置き場にアース付きコンセントを1口、床から30cmの位置でお願いします」
  • 「エアコン用コンセントはエアコンの設置予定位置の真上、床から180cmの高さで専用回路でお願いします」

設計士へのコンセント指示は「場所・高さ・口数・種類」の4点をセットで伝えることが、認識ズレを防ぐ最大のポイントです。

5.コンセントの種類の選び方|標準・200V・USB・防水・スマートの違いと使い分け

コンセントの種類の選び方|標準・200V・USB・防水・スマートの違いと使い分け

コンセントには複数の種類があり、設置する場所・用途によって選ぶべき種類が異なります。

「とりあえず標準タイプ」と決めてしまうと、後から種類を変えるために大がかかりな工事が必要になるため、設計段階でしっかり確認しておきましょう。

コンセントの種類を正しく選ぶことで、安全性・利便性・将来の対応力が大きく変わります。

5-1.標準コンセント(100V・2口)

最も一般的なタイプで、通常の家電製品に使用する基本のコンセントです。リビング・寝室・廊下など多くの場所で使用されます。室内の約7〜8割のコンセントがこの標準タイプで構成されるのが一般的です。

使用できる電力の上限は1,500Wまで(15A×100V)と定められています。たとえば、ドライヤー(1,200W)とヘアアイロン(600W)を同時に使うと容量オーバーでブレーカーが落ちるといったリスクがあります。

消費電力の大きい家電を同じコンセントに集中させないよう、使用予定の家電の消費電力を事前にリスト化したうえで、回路分けを設計士に相談することが重要です。

コンセントは「数」と同時に「1回路あたりの容量配分」も意識することが、ブレーカー落ちのない快適な暮らしにつながります。

5-2.アース付きコンセント

洗濯機・冷蔵庫・電子レンジ・食洗機などの水回りやキッチンで使用する大型家電には、アース付きコンセントの設置が推奨されています。

アース付きコンセントは、水回りや大型家電で発生する可能性のある漏電を、大地に逃がして感電事故を防ぐためのコンセントです。洗濯機・冷蔵庫・電子レンジ・食洗機・温水洗浄便座・エアコンなど、内部に水や湿気が関わる家電・金属外装の家電には原則アース付きが必要とされます。

たとえば、洗濯機の内部で漏電が発生した場合、アースがなければ金属ボディに触れた人の体を通って地面に電流が流れ、感電事故につながる可能性があります。

後から通常コンセントをアース付きに変更する場合、アース線を分電盤付近まで引き直す必要があり、工事費が15,000〜40,000円程度に跳ね上がるケースもあるため、安全にも配慮したコンセント計画が重要です。

5-3.200Vコンセント

200Vコンセントは、家庭用100Vの2倍の電圧を供給する高出力タイプのコンセントで、大量の電力を必要とする機器専用に設置します。

IHクッキングヒーター(3.0〜5.8kW)・電気式床暖房・大型エアコン(20畳以上用)・電気自動車充電器(普通充電3.0kW)などは、200V電源を前提に設計されています。100Vのコンセントでは動作しないか、動作しても加熱時間が大幅に長くなります。

200Vコンセントは分電盤の主幹ブレーカー容量と専用回路の確保が必要になるため、後から追加するには分電盤の改修工事を含めて50,000〜100,000円以上の費用がかかることも珍しくありません。

設計打ち合わせの時点でIHや電気式床暖房を導入する予定がなくても、「将来のキッチンリフォーム時にIH化する可能性」「EV車への買い替え可能性」が少しでもあるなら、設計段階で200Vの先行配管を通しておくことが、後悔を防ぐ経済的な備えになります。

5-4.USB付きコンセント

USB付きコンセントは、スマートフォン・タブレット・Bluetoothイヤホン・モバイルバッテリーなどの充電に、ACアダプタを使わず直接ケーブルで充電できるタイプのUSBポート内蔵コンセントです。

USB-Aタイプ・USB-C(最大65W対応)タイプの2種類があり、近年はUSB-C対応のスマートフォンが主流になったため、USB-A/USB-C両方を備えたハイブリッドタイプが人気です。

たとえば、ベッドサイドにUSB付きコンセントを設置すれば、スマホの充電にACアダプタ用のコンセント口を占有せずに済むため、隣でアロマディフューザーや電気毛布を同時に使えるようになります。

設置がとくにおすすめなのは、ベッドサイド(枕元)・デスク周辺(PC作業中の充電用)・玄関付近(外出時の充電忘れ対策)・ダイニングテーブル横(食事中のタブレット利用)の4か所です。新築時なら1口あたり5,000〜10,000円程度の追加費用で設置できます。

5-5.防水コンセント

防水コンセントは、雨水や散水の飛沫がかかる可能性がある屋外・浴室周辺・洗面室などに設置する、防塵・防水性能を備えた専用コンセントです。電気設備に関する技術基準を定める省令および内線規程(JEAC 8001-2022)により、屋外への設置は原則として防水タイプが求められます。

屋外用は「防水プレート付き」「防水ボックス(カバー)付き」の2タイプがあり、防水ボックス付きのほうが雨水の侵入を防ぐ性能が高いため、庭・駐車場・バルコニーでは防水ボックス付きを選ぶのが安全です。

防水コンセントは、新築時なら1口あたり5,000〜15,000円ほどの追加費用で設置できるため、屋外に電源が必要な場所(玄関・庭・駐車場・テラス)にはすべて防水タイプを計画することが、事故を防ぐ確実な方法です。

5-6.スマートコンセント(IoT対応)

スマートコンセントは、Wi-Fi・Bluetooth経由でスマートフォン・スマートスピーカーから電源のオン・オフを制御できるコンセントです。スマートホーム化を進める場合、照明・エアコン・など家電を外出先から遠隔操作が可能になります。

たとえば、帰宅30分前にエアコンをONにしておく・就寝時に「おやすみ」と一声かけて寝室以外の家電をすべてOFFにする、といった使い方が可能です。

自宅のIoT化を進めるのに後付けタイプもありますが、プラグ部分の出っ張りで家具の配置に干渉したり、ランプが夜間に目だったりするデメリットがあります。

新築時に壁埋め込み型のIoT対応コンセントとして計画しておけば、見た目もすっきりと仕上がり、将来スマートホーム機器を拡張する際にもWi-Fiルーターやハブの配置計画をたてやすくなります。

「後から追加できない種類のコンセント」ほど、設計段階での計画が重要になります。 とくに200V・防水・アース付きは、設置場所と種類を必ず確認してから図面を確定させてください。

6.コンセントの費用|設計変更のタイミング別に変わる追加コストの目安

コンセントの費用|設計変更のタイミング別に変わる追加コストの目安

コンセントの追加・変更にかかる費用は、工事のタイミングによって大きく変わります。設計変更は早ければ早いほどコストを抑えることができます。

設計段階での徹底的な計画が、長期的に見て最も費用対効果の高い選択です。

6-1.タイミング別コンセント工事費用の比較

タイミング 費用目安 工事の内容
着工前(設計段階) 1,000〜5,000円ほど 図面修正のみ。材料・工賃込みで対応可能なケースが多い
上棟後(内装工事前) 5,000〜20,000円ほど 配線の引き直しが必要。壁を閉じる前なら比較的安価
入居後(壁の開口が必要) 20,000〜80,000円以上 壁を開口して配線工事。クロスの復旧工事も必要になる

費用がタイミングによって大きく変わる理由は、必要となる工事範囲が段階ごとに拡大するためです。

着工前(設計段階)であれば、図面上の配線ルートを修正するだけで済むため、材料費・工賃ともにほぼ発生しません。

上棟後・内装工事前は、柱・梁が組み上がったあとに配線を通し直す必要があり、電気工事士の出張費や追加材料費が発生します。

入居後は、仕上がった壁に開口部をつくって配線を通して、さらに壁紙の復旧工事が加わるため、一般的なコンセント1か所の追加でも30,000〜50,000円、壁の開口範囲が大きい場合は80,000円を超えるケースもあります。

クロスは同じ型番・ロットでも経年による日焼けで色味が微妙に変わるため、部分的な張り替えでは継ぎ目が目立つことがあります。部屋の一面をまとめて張り替えるなら、さらに多くの費用を負担しなくてはいけません。

6-2.特殊なコンセントの費用目安

種類 新築時の追加費用目安 入居後の追加費用目安
200Vコンセント(IH・エアコン用) 10,000〜30,000円ほど 50,000〜100,000円以上
EV充電用200Vコンセント(先行配管) 30,000〜60,000円ほど 70,000〜120,000円ほど(条件によって異なる)
屋外防水コンセント 5,000〜15,000円ほど 30,000〜60,000円以上
USB付きコンセント 5,000〜10,000円ほど 15,000〜30,000円ほど

特殊なコンセントは標準コンセントに比べて費用差が大きくなります。理由は、分電盤から独立した専用回路の確保や防水ボックス・USB内蔵モジュールなどの追加部材が必要になるからです。

たとえば、200Vコンセントの場合、分電盤に空き回路があれば新築時は10,000〜30,000円ほどで済みます。しかし、入居後に追加する場合は分電盤の改修・壁の開口・配線の引き直し・クロス補修までが連鎖的に発生します。

EV充電用の先行配管は、将来EVに買い替える可能性を考慮したい方に、とくにおすすめの選択肢です。新築時に空の配管だけを駐車場まで通しておけば、実際にEVを購入した時点で配線だけを通す工事で済み、追加費用を30,000〜50,000円程度に抑えることができます。

屋外防水コンセントとUSB付きコンセントについても、新築時と入居後では3〜6倍の費用差が生じるため、「使う頻度は少ないかもしれないが、あったら便利」というレベルでも設計段階で盛り込む価値があります。

コンセントの追加工事費用は、タイミングが遅くなるほど10〜50倍以上に膨れ上がる場合があります。 設計段階で「もしかしたら必要かも」と思うコンセントは設けるように計画することで、最小限のコストで最大限の備えになります。

7.設計打ち合わせのコンセント計画で使える30項目のチェックリスト

設計打ち合わせのコンセント計画で使える30項目のチェックリスト

設計打ち合わせでコンセント計画を漏れなく確認するために、チェックリスト形式でまとめました。打ち合わせ前に印刷して持参するか、スマートフォンで確認しながらご活用ください。

チェックリストを使うことで、「あとで聞けばいい」と先送りにしてしまいがちな項目を、確実に設計段階で押さえることができます。

7-1.リビング・ダイニングのチェック編(全8項目)

  • テレビ周りに6口以上のコンセントが確保されているか
  • ソファ近くに充電や照明用のコンセントがあるか
  • ダイニングテーブル周辺にホットプレート・電気鍋用のコンセントがあるか
  • エアコン専用コンセントが床から180〜200cmの位置に確保されているか
  • 家具を置いても使えるコンセントの位置になっているか
  • テレビボードの高さに合わせたコンセント高さになっているか
  • スマートスピーカー・IoT機器用のコンセントが確保されているか
  • 壁の4面すべてにコンセントが配置されているか

7-2.キッチン・水回りのチェック編(全8項目)

  • 冷蔵庫専用にアース付きコンセントが1口確保されているか
  • 電子レンジ・オーブン用にアース付きコンセントが確保されているか
  • 炊飯器・電気ポット用のコンセントが作業台上部にあるか
  • 食洗機専用にアース付きコンセントが確保されているか
  • 洗濯機置き場にアース付きコンセントが確保されているか
  • 洗面台周辺にドライヤー・シェーバー用のコンセントが4口以上あるか
  • トイレの温水洗浄便座用にアース付きコンセントが確保されているか
  • キッチンの作業台上に調理家電用コンセントが2〜4口あるか

7-3.寝室・子ども部屋のチェック編(全6項目)

  • ベッドサイドの両サイドに充電用コンセントが確保されているか
  • 将来の学習机・デスク位置を考慮した壁面にコンセントがあるか
  • エアコン専用コンセントが床から180〜200cmの位置に確保されているか
  • テレビ用コンセントが予定位置の壁面に確保されているか
  • USB付きコンセントをベッドサイドに採用しているか
  • 子ども部屋のコンセントにはコンセントカバーを検討しているか

7-4.屋外・玄関・特殊用途のチェック編(全5項目)

  • 玄関に電動自転車充電用のコンセントが確保されているか
  • 庭・テラスに防水コンセントが2か所以上あるか
  • 駐車場にEV充電対応の200V防水コンセントまたは先行配管があるか
  • 屋外コンセントはすべて防水タイプになっているか
  • 廊下・階段にナイトライト・掃除機充電用のコンセントがあるか

7-5.種類・安全性・将来対応のチェック編(全3項目)

  • 水回り・大型家電にアース付きコンセントが確保されているか
  • IH・大型エアコン・EV充電に200V回路が確保されているか
  • スマートホーム対応を視野に入れたIoT機器用のコンセントが確保されているか

チェックリストは「確認したつもり」ではなく「すべてにチェックが入った状態」で打ち合わせを終えることが、後悔しないコンセント計画の鉄則です。

8.設計士へ確認する10の質問

最後に設計打ち合わせのときに設計士へ確認してほしい10の質問を紹介します。実際に、設計打ち合わせの際に確認するようにしましょう。

  • 「各部屋のコンセントの口数と位置を図面で確認させてください」
  • 「アース付きコンセントが必要な場所はすべて対応していますか?」
  • 「200V回路が必要な場所(IH・エアコン・EV充電など)は対応していますか?」
  • 「屋外コンセントはすべて防水タイプになっていますか?」
  • 「エアコン設置予定の壁にすべて専用コンセントがありますか?」
  • 「将来EV充電に対応できる先行配管を駐車場に入れることはできますか?」
  • 「コンセントを追加・変更する場合、今の段階なら費用はどのくらいですか?」
  • 「スマートホームに対応したコンセント・配線計画の提案はできますか?」
  • 「家具の配置に合わせてコンセント位置を調整することはできますか?」
  • 「今追加しておいたほうがいいコンセントはありますか?設計士の経験からアドバイスをください」

上記で紹介した質問を抜け漏れなく投げかけることで、後悔しないコンセント計画に近づきます。

まとめ

コンセント計画は「住んでみてから気づく」のでは手遅れになることが多い項目です。設計段階での徹底した計画が、10年後・20年後も快適に暮らせる住まいをつくります。

コンセント計画は「設計段階」が唯一のチャンスです。コンセントを追加・変更するための費用は、着工前と入居後で大きな差が生じます。コスト差が生まれることを理解したうえで設計打ち合わせに臨んでください。

コンセントは「なんとなく多め」で計画するのではなく、使用する家電と配置を具体的に想定して、場所ごとに口数・高さ・種類を指定することが重要です。設計士に対して「場所・高さ・口数・種類」の4点を正しく伝えるようにしましょう。

少しの準備と意識した計画によって「快適な暮らし」という大きなリターンが得られます。本記事で紹介した内容をもとに、あなたの設計打ち合わせがより充実したものになれば幸いです。

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