注文住宅を建てるときには、家づくりのことばかりに目が行きがちです。家づくりに没頭するあまり、駐車スペースの計画に気がまわっていない方も少なくないでしょう。
入出庫しにくい駐車場は、車をよく利用する方にとって致命的な問題です。問題を未然に防ぐためにも土地が決まったタイミングで駐車スペースの計画を進めるべきです。
そこで今回は、駐車場に必要な寸法から計画するときに使える8つのチェック項目、車両サイズごとの寸法を解説します。
土地探しがひと段落した方は、ぜひ今回紹介する内容を参考にしてください。
この記事で学べるコト
- 駐車スペースに必要な寸法がわかる
- 使いやすい駐車場を計画するときのポイントがわかる
- 車のサイズごとに必要な広さがわかる
目次
1.駐車スペースに必要な最小の寸法
敷地のなかに収めるもので一番大きいのが車です。安全に駐車できるスペースを確保するために、まずは駐車場に必要な寸法を把握しなくてはいけません。
車の停め方には大きくわけて2つあります。前面道路に対して直角に駐車する「直角駐車」と平行に駐車する「平行駐車」です。
それぞれの駐車方法で必要な最小の寸法は次の図のとおりです。
直角駐車では3,000mm×6,000mm程度のスペースを確保しなくてはいけません。平行駐車では7,500mm×2,500mm程度のスペースが最低でも必要です。
ただし、上記の寸法は敷地に対して駐車場を設けるための必要最低限な広さしかありません。「車に乗り入れしやすい」「荷物の積み下ろしがしやすい」など、使い勝手の面で適切な広さではないので最低限の寸法として覚えておきましょう。
駐車場として適切な寸法は車の大きさによって決まります。車の大きさによる使い勝手の良い駐車スペースの広さについては後述で詳しく解説します。
2.【保存版】駐車スペースを決める8つの項目
駐車場に必要な最小の寸法がわかったところで、次に駐車スペースを計画するときのチェック項目について解説します。
駐車場の配置は、注文住宅を建てる土地が見つかったら敷地内のどこに設けるか決めていきます。
駐車スペースを計画するときには、次のチェックリストを参考に情報を整理するようにしましょう。
- 駐車する台数を整理する
- 車のサイズを調べる
- 建物の出入口との関係
- 前面道路との関係
- 近隣への影響
- 駐輪スペースの配置位置
- 必要な設備の有無
- 水勾配の計画
次からは、各項目について詳しく解説します。
2-1.駐車する台数を整理する
まずは、敷地内に何台の駐車スペースが必要か整理します。何台の駐車場が必要になるのかによって車の配置位置が変わってくるからです。
たとえば、夫と妻で2台の車を所有していて通勤で利用しているとしましょう。このような場合、使用する台数の他にも使用頻度や使用する時間帯なども書き出しておきます。
お互いの車をスムーズに入出庫できるように並列に駐車できるように駐車スペースを計画するのが無難です。できるだけ庭を広くしたいからといって駐車場を縦列駐車で計画すると、普段の使い勝手が悪くなるからです。
敷地にゆとりがある場合においては、来客用にもう1台できるスペースを確保することも一案です。来客の頻度が多いご家庭では、来客用に駐車スペースがあると重宝します。
2-2.車のサイズを調べる
普通車と一言でいっても、コンパクトな軽自動車からワンボックスカーや大型車などサイズはさまざまです。
そのため、所有している車の全長・横幅・高さの3つのサイズを調べておきしましょう。
車種別のサイズ感の目安として、下記の表を参考にしてください。
車種 | 全長 | 横幅 | 高さ |
---|---|---|---|
軽自動車 | 3,400mm | 1,480mm | 1,750mm |
小型車 | 4,000mm | 1,680mm | 1,500mm |
中型車 | 4,700mm | 1,700mm | 1,500mm |
ワンボックス | 4,800mm | 1,800mm | 2,000mm |
大型車 | 5,400mm | 2,000mm | 1,500mm |
ただし、将来的に乗り換えを考えている人は注意が必要です。
現在は、軽自動車でも将来家族が増えたタイミングでワンボックスカーに乗り換えを検討しているなら、購入を検討している車種のサイズを調べるようにしてください。
2-3.建物の出入口との関係
建物の出入口と駐車場の位置関係はとても大切です。できるだけ玄関と近い位置に駐車スペースを計画するのが基本的な考え方になります。
移動距離が短くなれば、車を使うときの利便性は高まります。悪天候のときにも車に乗りやすく・帰宅時にはすぐに室内に入れるでしょう。
また、建物の出入口との距離が近いと買い物のときにも便利です。重い荷物を運び入れる際に往復する距離が少なるので、苦労を減らせます。
2-4.前面道路との関係
駐車スペースを計画する際には、前面道路との関係も確認しましょう。
電柱や標識の設置個所、道路の勾配や一方通行道路の有無などによって、車庫入れの方向が決まるので駐車スペースの位置が決まります。
前面道路が狭いと車の切返しに技術が必要になります。そのため、駐車スペースに余裕をもった広さが必要です。
また、入出庫の際に死角となる障害物がないかの確認をしましょう。車の出入りで人身事故や物損事故をおこさないためにも安全面に配慮が必要です。
2-5.近隣への影響
駐車場を計画するときには、近隣への配慮も欠かせません。エンジン音やマフラーからの排気ガス、騒音・においなどの問題は車を所有しているなら切っても切れない関係です。そのため、駐車スペースを計画するときには近隣への影響も考慮して車の配置位置を決めましょう。
車を停車する向きやフェンス・植木などを設けることで、近隣からのトラブルやクレームに巻き込まれるリスクは軽減できるでしょう。
騒音やにおいの問題に目を向けて、ハウスメーカー・工務店などプロの意見を仰ぎながら駐車スペースを計画することをおすすめします。
2-6.駐輪スペースの配置位置
駐車場を計画する際、一緒に考えたいのが自転車やバイクを停める駐輪スペースとの位置関係です。意外と忘れがちなので駐車場とあわせて検討するようにしましょう。
家族で複数台の自転車を所有していることはざらにあります。複数台置けるスペースを確保するのがおすすめです。
駐輪スペースは乗り降りを考えて1台あたり2,000mm×1,100mm程度の余裕をもって計画すると良いでしょう。
ただし、駐輪スペースの配置には注意が必要です。車の横や後ろに計画するケースが多いですが、風で自転車が転倒し車を傷つけてしまう・車の後ろに自転車があると出し入れしにくいなど、デメリットがあります。
外からの見栄えも気にしなくてはいけません。どんなにきれいに並べていても乱雑にみえてしまうため、できれば自動車やアプローチから見えにくい位置に配置するように検討しましょう。
2-7.必要な設備の有無
駐車スペースを確保する他に、必要な設備の有無を確認しましょう。
たとえば、カー用品を収納しておく物置や洗車をするときに便利な水栓・屋外コンセントなど、必要な設備がある場合には配置する場所を決めなくてはいけません。
抜け漏れをなくすため、駐車場の周辺に欲しい設備をノートなどにリストアップしておくと良いでしょう。
2-8.水勾配の計画
駐車スペースでは雨水などが溜まらないに緩やかな傾斜をつけて自然と水を流します。この傾斜をつけることを水勾配と呼びます。
駐車場の水勾配は2%~4%にするのが通常です。勾配が緩いと水の流れが悪く、勾配がっ急だと車が腹こすりしてしまう可能性があります。
また、前面道路が坂だと勾配がきつくなります。そのため、駐車場の高さを調整して水勾配が2%~4%になるように計画しましょう。
3.車両サイズごとに最適な駐車スペースの寸法
最後に最適な駐車スペースの寸法について紹介します。
下記は「軽自動車」「小型車」「中型車」「大型車」の4つの車両サイズ別に、直角駐車した場合の最適な駐車スペースの寸法を表した図です。
車種 | 車両サイズ | 最適な駐車スペースの寸法 |
---|---|---|
軽自動車 | 1,480mm~3,400mm | 2,680mm~4,200mm |
小型車 | 1,680mm~4,000mm | 2,930mm~4,800mm |
中型車 | 1,800mm~4,800mm | 3,100mm~5,600mm |
大型車 | 2,000mm~5,400mm | 4,000mm~6,200mm |
車の大きさによって余裕をもった寸法で駐車スペースを計画することで、ドアの開閉のしやすさ・乗り入れのしやすさなど、使い勝手の良い駐車場になるでしょう。
まとめ
注文住宅を検討しているなら、土地が決まって建物のプランに入る前に駐車スペースを計画するのがおすすめです。建物を決めた後に駐車場を計画してしまうと、不便な駐車場ができあがってしまうからです。
駐車スペースには、必要最小限の寸法があります。しかし、最小の寸法では使い勝手は良くありません。
そこで、駐車スペースを計画するときには、今回紹介した8つのチェック項目を参考に情報を整理してください。
また、車両サイズごとの最適な寸法についても紹介しています。本記事を参考に快適な駐車場を計画しましょう。
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