

建物の印象を決める外観。行き交う人のたくさんの目に触れるため、家の顔とも称される外観デザインは家づくりで重要な要素のひとつです。
しかし、実際に注文住宅のプラン決めをする際は、リビングやキッチン・部屋の広さ・動線など、室内の利便性を高めるための間取りに思考が向きやすく、外観デザインを後回しで考えてしまいがちです。
内観のプランと同時進行で外観デザインを意識していかなければ、理想の外観デザインにはなりません。
そこで今回は、注文住宅で人気の外観デザインをスタイル別に8つ紹介します。おしゃれにデザインするコツもあわせて紹介しますので、こだわりのマイホームを手に入れたい方は、ぜひ、参考にしてください。
この記事で学べるコト
- スタイル別に外観の特徴がわかる
- 外観をおしゃれにデザインするコツがわかる
- デザイン決めるときに失敗しない方法がわかる
目次
1.注文住宅の外観デザインは種類が豊富
そもそも注文住宅の外観にはどのようなデザインがあるのか詳しく解説します。外観デザインはいくつもの種類があり街並みを形成しています。
お住まいの周辺を散策したときをイメージしてもらえばわかりやすいかもしれませんが、シンプルなデザインから木目の美しいデザインなど種類はさまざまです。
本記事では注文住宅を建てるときに人気のある、次の8つの外観を詳しく紹介します。
- モダン
- 和風
- コンテンポラリー
- インダストリアル
- アーリーアメリカン
- カリフォルニア
- 南欧
- 北欧
1-1.モダン
出来るだけ無駄を省きシンプルに仕上げたデザインがモダンスタイルです。近年、片流れ屋根を採用するケースが多くなっており、直線的な形状が美しいデザインです。飽きのこないデザインで人気があります。
ただし、シンプルに仕上げすぎると無機質な印象を与えかねません。「バルコニーの手摺りを高めにする」「格子やスクリーンで隠したりする」など、直線的すぎず変化のある工夫が大切です。
モダンスタイルという一括りのなかにも、後述するスタイルの一部を継承してモダンと組み合わせた〇〇モダンとして分岐しています。
たとえば、和風モダン(ジャパニーズモダン)・ナチュラルモダン・洋モダンなど、使う素材や取り入れる要素の組み合わせを変えることで、変化を楽しむデザインになります。
1-2.和風
日本らしい趣きのあるデザインの和風。日本古来の伝統的な外観です。木・竹などを多くあしらい、塗り壁や屋根瓦・玄関の引き戸やなどを用いています。水平ラインを強調させて横長なデザインが特徴的です。
アプローチや玄関に和テイストの植栽や大きめな庭石などを配置することで、より和風テイストな住まいを演出できます。
1-3.コンテンポラリー
コンテンポラリースタイルは、和風と洋風を良いところをバランスよくミックスして現代風にアレンジしたデザインです。どんな街並みにも馴染む飽きのこないデザインが特徴的です。
連窓や段窓で窓のデザインに変化をつけることにより、邸宅感が引き立ちスタイリッシュな印象のデザインに仕上がります。
1-4.インダストリアル
工業的で無骨なデザインのインダストリアルスタイル。ビンテージ感のあるかっこいい外観は人気のデザインのひとつです。
黒を基調とした金属系サイディングやフレームにアイアン・間接照明などを組み合わせるとインダストリアルな雰囲気を演出できます。
1-5.アーリーアメリカン
アメリカが独立する以前、17世紀~18世紀のイギリス植民地時代から西部開拓時期にかけて建築されていたデザインです。
切妻屋根と木の板を横貼りしたラップサイディングをベースに木製の建材が多く用いられています。
北米のどこか懐かしい雰囲気と北欧の雰囲気をあわせ持つ、装飾が少なく派手すぎないシンプルなデザインが特徴的です。
1-6.カリフォルニア
アメリカの西海岸やリゾート地を彷彿させるような外観でビーチスタイルやサーファースタイルとも呼ばれるスタイルです。
海や空を連想させる、ブルー系の色合いやホワイトカラーをベースにラップサイディングで温かみのある外観が特徴的です。
芝の庭やヤシの木などシンボルツリーをアクセントに加えると、より一層、西海岸の空気を味わえます。
1-7.南欧
暖色系のカラフルな屋根が特徴的な南欧スタイル。イタリアやスペインなどの地中海リゾート地らしさのある外観です。
淡い暖色系やホワイト系をベースとした外壁が用いられることが多く、カラフルな屋根が映えるデザインになっています。
玄関ポーチなどにアール形状の壁をとり入れると、曲線が柔らかな印象とかわいらしさを演出してくれます。
1-8.北欧
スウェーデンやデンマーク・フィンランドといった北欧諸国の住宅スタイルです。日本では、モダンなツートンカラーのデザインが人気です。
急勾配の三角屋根や木製の大きい窓が特徴的で、自然を連想させるアースカラーをベースにデザインされるケースが多くあります。
2.スタイル別のデザインするコツを徹底解説
前述で紹介した8つのスタイルを実現するため、本章ではスタイル別のデザインするコツを詳しく解説します。
理想の外観にするために、ぜひ、参考にしてください。
2-1.モダンの外観にデザインするコツ
モダンを意識したデザインにしたいなら、次の4つを意識したプランを検討しましょう。
概要 | デザインのコツ |
---|---|
凹凸をできるだけ減らす | きれいな面としてフォルムが見えるようにしましょう。片流れ屋根や切妻屋根を採用すると良いです。
玄関の庇(ひさし)が出っ張っているときれいに見えないため、玄関ポーチを少し凹ませてくぼみをつけると、よりおしゃれな外観に仕上がります。 |
壁の色は単色にする | 外壁は基本的に単色で統一するときれいに見えます。
柄の強い外壁を選んでしまうとデザインのバランスや周辺住宅との調和がとりづらくなってしまうので注意しましょう。 |
窓にもこだわる | モダンのデザインを目指すなら窓にもこだわりましょう。窓はすべり出し窓やFIX窓でガラス面をすっきりと見せると良いです。
開口部を大きくしたいときには、片引き窓でもOKです。 |
開口部は揃える | ラインを揃えるとフォルムがきれいです。水平のラインを意識しながら垂直のラインも極力揃えるようにしましょう。 |
前面道路からバルコニーが見える場所に配置している建物であれば注意が必要です。バルコニーに干した洗濯物や布団などが見えると生活感が溢れ出てしまうからです。
直接的にバルコニーが見えない工夫をするか、室内干しのランドリールームを設けることで生活感を出さないという選択も必要でしょう。
2-2.和風の外観にデザインするコツ
和風の外観をデザインするには次の5つのコツがあります。
概要 | デザインのコツ |
---|---|
凹凸をつけてデザインする | 建物に陰影をつくるために、軒を出して彫を深くしましょう。
玄関ポーチや車庫などをとり込み軒下の空間を広くすると和風の雰囲気が際立ちます。 |
屋根を工夫する | 屋根は主に切妻屋根を採用し3.5寸~4寸程度の勾配をつけると良いでしょう。軒裏を板目調にして、軒を横に大きくのばすと和の装いに仕上がります。 |
壁は塗り壁調を意識する | 壁は塗り壁の漆喰調をベースにしましょう。
アクセントに焼き杉板や石積のデザインをプラスすると、古風で伝統的な表現ができます。 |
1階と2階をアンバランスにする | 総2階のデザインやペンシル型のデザインよりも、1階に下屋を設けて2階を小さめにするアンバランスなデザインに見せると良いです。
1階と2階をアンバランスにすることで、必然的に横長な外観に見せられます。 |
縦格子で和を表現 | 木や竹など太目の縦格子を玄関まわりやバルコニー、窓などで使用すると和っぽい雰囲気が演出できます。 |
2-3.コンテンポラリーの外観にデザインするコツ
邸宅を思わせるコンテンポラリースタイルにデザインするには、次の2つのコツを押さえましょう。
概要 | デザインのコツ |
---|---|
屋根の傾斜は緩やかにする | 寄棟屋根や片流れ屋根といった形状の屋根を採用し、軒を長めにすると重厚感のでた建物になります。 |
建物の外周に凹凸をつける | タイル調をベースとした外壁材を使い、建物の凹凸部分で異なる外壁を貼り分けると深みのある印象を演出できます。 |
落ち着いたトーンの色味にすることで、街並みに馴染みやすい邸宅感のあるコンテンポラリーの外観デザインになります。
2-4.インダストリアルの外観にデザインするコツ
無骨なインダストリアルにデザインするなら、次の3つを意識しましょう。
概要 | デザインのコツ |
---|---|
無駄な凹凸はなくす | 形状はモダンに近いデザインのため、直線的なフォルムを意識して凹凸をできるだけなくしましょう。
玄関ポーチやバルコニーは建物内部にとり込んだような見た目にしたいので凹みをつくるイメージにすると良いです。 |
外観はブラック系の色をベースにする | 全体的にブラック系のダークな色味をベースカラーにすると無骨で工業的な印象になります。
シルバーやグレー、ホワイト系をベースにしたラインサイディングでも明るくおしゃれなデザインにできます。 |
質感のある素材をアクセントにつかう | 凹みで変化を加えた箇所に羽目板やレンガ調など、質感のある異素材をアクセントとして組み合わせてもおしゃれな外観に仕上がります。
ガラスの玄関ドアにすることで、よりスタイリッシュさを演出できるでしょう。 |
インダストリアルはモダンに近いフォルムのため、デザインにひと工夫が必要なスタイルです。また、外観だけでなく内観にもこだわりたいデザインです。
ビンテージ調の家具・照明などを組み合わせてコーディネートすると、よりインダストリアルな空間が映えます。
2-5.アーリーアメリカン・カリフォルニア・南欧・北欧の外観にデザインするコツ
「アーリーアメリカン」「カリフォルニア」「南欧」「北欧」の4つのスタイルは、次の共通する3つのコツがあります。
概要 | デザインのコツ |
---|---|
自然素材調の外壁をつかう | 明るめの塗り壁調・石積調の外観をベースにするとやさしい雰囲気を演出できます。
アクセントに横貼りの木目調をプラスしてもOK。 |
サッシは白をベースにする | 白をベースにサッシを選ぶとデザインがまとまりやすくなります。温かみのある木調のサッシでも問題ありません。
すべり出し窓や上下窓をメインに格子入ガラスの窓を組み合わせると良いでしょう。 |
屋根を大きく見せる | 洋風のデザインは大きな屋根が特徴です。寄棟屋根・切妻屋根をメインに大屋根を意識すると良いでしょう。
片流れ屋根にすると洋モダンな雰囲気に仕上がります。 |
さらに、それぞれのスタイルに近づけるためにスタイル別の組み合わせを紹介します。
アーリーアメリカン
サイディングは木の板を重ねあわせたような見た目にすることでアーリーアメリカンの雰囲気に施工できます。玄関ポーチに白を基調としたポーチスパンドレルなどを組み合わせると良いでしょう。
カリフォルニア
強い日差しを遮るようなイメージで屋根の勾配は緩やかにすると良いです。
玄関ポーチをウッドデッキ状や白色のハンドレールでカリフォルニアスタイルを演出するとより雰囲気がでます。
北欧
1階に淡色の色合いにして2階に茶系の木目柄を取り入れることで北欧風に近づきます。屋根は傾斜角をつけた急勾配にするのが良いでしょう。
木目調やビンテージ調の太格子をつかったバルコニーにするとより一層、北欧のデザインが引き立ちます。アクセントに窓モールで輪郭をプラスすると良いです。
南欧
全体的に暖色系の色を取り入れて、塗り壁や部分的に石柄をプラスしましょう。
ロートアイアンのハンドレールや妻飾り、アーチ状の下り壁や外構などで曲線を取り入れることで南欧風のデザインを演出できます。
3.外観のデザインに入る前に確認しておきたいこと3選
各スタイルの特徴とデザインするコツを紹介したところで、次に外観デザインに入る前に確認しておきたいことについて解説します。
事前に確認しておいてほしい項目としては、次の3点があります。
- 現地に足を運んでイメージを膨らませておく
- 建築予定地の周辺にどのような建物があるか確認しておく
- 電柱の位置を確認しておく
それぞれについて詳しくみていきましょう。
3-1.現地に足を運んでイメージを膨らませておく
注文住宅の外観イメージを膨らませるために、現地に出向くようにしましょう。現地では建築予定地の周辺を確認するのがおすすめです。
たとえば、道路や敷地からアプローチ・外観のどの面がよく見えるかを確認しましょう。どこからのアングルが一番美しく見えるようにするか下調べしておきます。
3-2.建築予定地の周辺にどのような建物があるか確認しておく
前述で紹介した他に、現地に訪れたらまわりの家を確認しましょう。いくら気に入って建てたとしても、近隣の外観と似通った建物では嬉しさは半減してしまうものです。
近隣はもちろん、近くの幹線道路の家や最寄駅から建築地まで歩くなどして、よく目に入る家も確認しておくと良いでしょう。
3-3.電柱の位置を確認しておく
現地を確認する際には、敷地および周辺の電柱・支線・電線の位置も忘れずに調べるようにしましょう。
電気の引き込みでは一番施工しやすく安全な箇所に取付けます。そのため、設置箇所を複数選択できる場合はデザインを損ねない場所に計画することで、外観を邪魔しないイメージ通りのデザインに近づきます。
4.外観デザインで失敗しないための5つの方法
家の顔となる外観デザインで失敗しないために、本章では以下の5つの実践方法を解説します。
- 間取りや内観デザインと同時進行で外観も決める
- 大きいサンプルが入手できないか交渉する
- 周辺と調和のとれたデザインにする
- デザインの情報収集を怠らない
- 快適性・安全性にも目を向ける
4-1.間取りや内観デザインと同時進行で外観も決める
外観デザインを決めるときは、間取りや内観を決めるのと同時進行で決めるようにしてください。同時に決めないと、間取りの関係で「玄関脇に出っ張りができてしまう」などの外観に影響がでる可能性があるからです。
間取りや動線などを決めていくにあたって、外観イメージのある程度方向性を示せるぐらいにまで具体的にしておくのをおすすめします。
また、使っている家具や趣味嗜好にあわせて、内観と外観を同時進行で考えるとバランスのとれたデザインになるでしょう。
4-2.大きいサンプルが入手できないか交渉する
色見本・デザインサンプルは出来るだけ大きいものを確認するようにしましょう。
建築会社と打ち合わせを進めていくにあたり、外壁や屋根材・タイルなどの建材を決めなくてはいけません。提案資料などの印刷物と実物では色味が異なるので注意が必要です。
外観で使うため、大きさや光のあたり方や劣化具合で色の見え方は変化します。できるだけ大きいサンプルを入手できないか担当に交渉してから、実物をみて判断するようにしましょう。
サンプルだけでイメージが沸きづらい場合は、採用したい建材で建てられたモデルハウスを見学するのをおすすめします。
4-3.周辺と調和のとれたデザインにする
周りの景観と馴染まない外観は、まわりから浮いたデザインになってしまいます。外観デザインを考えるときには、周辺のデザインを参考にしつつ調和のとれたデザインを目指すと良いです。
建築予定地の周辺を歩いてどのようなスタイルの建物があるのか把握しておきましょう。
「子供が小さく時間がとれない」などの理由があって現地におもむけない場合は、Google MAPのストリートビューを使えば、スマートフォンやパソコンからも確認できるので便利です。
ただし、情報が古いエリアも存在するため、更新日を確認するようにしましょう。
4-4.デザインの情報収集を怠らない
ハウスメーカーや工務店が提案してきた外観が、どんなに素晴らしいデザインだとしてもそのまま鵜吞みにしてはいけません。必ず、ご自身でも外観デザインの情報を収集するようにしてください。
今は、各社の施工実例がホームページやInstagramなどで調べられます。外観デザインを考える参考にできるでしょう。
巷に溢れる外観の画像から、好むデザインや色味をピックアップして方向性を定めていきます。ご自身で収集した情報と建築会社の提案をすり合わせてデザインをブラッシュアップしていきましょう。
自分で考え抜いたデザインでこだわりをもてば、完成したときの達成感はひとしおです。
4-5.快適性・安全性にも目を向ける
外観デザインを考えるときには、見た目にばかリ囚われてしまうのはNGです。デザイン以外にも、快適性や安全性を考慮した家づくりをしましょう。
外から見たときのイメージが先行してしまい、生活が脅かされてしまっては元も子もありません。
たとえば、窓が小さくて採光が十分に確保できなければ快適な生活はおくれません。反対に窓を大きくしたためにプライバシーが確保できない・耐震性が低いなど、安全性にも影響してきます。
外観を決める際には、快適性や安全性も考慮したいうえでデザインに反映しましょう。
まとめ
注文住宅で人気のある外観スタイルを次の8つ紹介しました。
- モダン
- 和風
- コンテンポラリー
- インダストリアル
- アーリーアメリカン
- カリフォルニア
- 南欧
- 北欧
それぞれの特徴から気に入るスタイルをみつけましょう。
また、スタイルごとおしゃれにデザインするコツを解説しています。細かなテクニックや工夫を加えると、より深みを増したデザインにできます。ぜひ、参考にしてみてください。